寒くなると食べたくなるのがシチューなどの温かい煮込み料理。
モスクワ生活を発信するブロガーのkouhiさんは、ロシアの定番料理・ボルシチを家庭でつくって楽しんでいるそう。

そんなボルシチと、ボルシチの赤い色のもと・ビーツを使った簡単レシピを教えていただきました。

ボルシチ
ロシア料理といえばボルシチ。赤い色の秘密は?
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牛肉とたくさんの野菜を煮込んでつくるボルシチ。体の中から温まろう!

ロシアの食べ物というと、まず思い浮かぶのはボルシチではないでしょうか。
実際に、現在私が住んでいるモスクワでも、ボルシチは大人気。多くのレストランでメニューに並ぶのはもちろん、家庭でも一般的な料理として頻繁に食卓に登場。冷凍のボルシチもスーパーで手に入ります。

日中の気温が10℃を下回ることも多い、最近のモスクワ。寒くなるとますますボルシチが食べたくなります。

ロシアの家庭でよくつくられているレシピをご紹介しましょう。

●ボルシチの簡単レシピ

(1) 鍋で牛肉を1時間煮込む(骨付き肉のほうがおいしいブイヨンがとれます。アクは必ず取って!)。
(2) ビーツ(ゆでておく)、ニンジン、タマネギ、キャベツ、トマト、ジャガイモなどの野菜を細切りに。
(3) ニンジンとタマネギとトマトを炒める。
(4) (1)に(3)、ジャガイモ、ビーツ、キャベツ、塩・コショウ、ローリエを加えて煮込む。
(5) すりおろしたニンニクを加え(チューブでOK)、もう少し煮込む。
(6) サワークリームとハーブ(ディルや万能ネギなど)を添えて盛りつける。

食べる人数によって野菜の量は調整してくださいね。

ボルシチの赤い色のもとは、魅惑のスーパーフード・ビーツ!

ところでこのボルシチ。真っ赤な色が印象的ですが、これがなんの色かご存知でしょうか。

これは、ビーツという野菜の色。あまり日本では見かけない野菜ですが、最近ではネット通販で生ビーツが購入できたり、海外食品輸入スーパーに缶詰が売っていたりするので、少しずつ身近になってきているかもしれません。

じつはこのビーツ、色が美しいだけでなく、「スーパーフード」「食べる輸血」と呼ばれるほど、栄養価が高い野菜なんだとか。見た目の鮮やかさだけでなく体にもいいなんて、ぜひ普段の食卓に取り入れたいですね。

●生ビーツの見た目は?どうやって調理するの?

モスクワに住み始めてから、スーパーでビーツを探してみました。
しかしどんな姿をしているのかまったく調べていなかったため、見つけられずに野菜売り場を長時間ウロウロするはめに。

「赤い野菜…赤い野菜…赤い野菜はどこ?」
ついに見つけたビーツの姿は、じつはこれでした!

ビーツ

見た目は、完全にジャガイモです! まさかこの皮の中から真っ赤な中身が現れるなんて…ちょっと衝撃でした。実際、調理をするときも、なかなかの衝撃映像が見られます。

ビーツゆで

ビーツは皮つきのままゆでるのですが、ゆでているとだんだん、鍋の水がどす黒い色に変わってきます。

ビーツ

そして、切ると、まな板も手も真っ赤に!

ですが、安心してください。まな板も手も、洗ったらちゃんと落ちます。

この、皮をむいたら真っ赤! という大変身の過程が、ほかの野菜ではなかなか味わえない、ビーツの醍醐味ではないでしょうか。

●ボルシチだけではない、ビーツを使った料理

ビーツはホウレンソウの仲間らしいのですが、食感は大根やカブに近く、甘味のある根菜。
ボルシチ以外にも、サラダやピクルス、スムージーなどをつくることができます。

ビーツサラダ

●ビーツのサラダの簡単レシピ

(1) ビーツ、ジャガイモ、ニンジンなど硬い野菜はゆでておく。
(2) (1)とキュウリ、タマネギ、ハムなどを切って混ぜる。ドレッシングはお好みで。
(3) (2)にみじん切りしたゆで卵と、ハーブ(ディルや万能ネギなど)を添えて盛りつける。

これからの寒い季節、食卓に映える真っ赤なビーツを使って、栄養満点のボルシチやサラダをつくってみてはいかがでしょうか。