2拠点生活に興味はあるけど、はたして自分にできるのか不安、どんな地域が自分に合っているのかわからない…。そんな理由で踏み出せないとしたら、気軽に試せる移住促進プランを利用してみましょう。全国の自治体が提供する、魅力あふれる取り組みを紹介します。
すべての画像を見る(全8枚)住民票を移さなくても都市と美波町の学校両方に通える
●徳島県[美波町]
徳島県南部に位置する海沿いの町、美波町(みなみちょう)。サテライトオフィスの設置など地域活性化に意欲的に取り組んだ結果、企業の進出が増加。そうしたなかで聞こえてきたのが、「家族での地方移住に向けて、お試し居住をしてみたい」「地方の豊かな自然や文化に触れさせたい」「子どもに多様な価値観を持たせたい」などの声。それに応えて取り組んだのが、日本初のデュアルスクールです。
この取り組みは、「区域外就学願」の届け出により、美波町と居住地である都市部の双方の市区町村教育委員会が承認すれば、住民票を移動せずに転校できるという制度。転校先となる美波町での授業日数が、出席日数としてカウントされます。これにより、就学児を持つ子育てファミリーの短期居住や2拠点居住がさらにしやすくなりました。
「サテライトオフィス勤務や起業などに取り組む方、移住を考えている方などに活用してほしいです。条件を満たせば補助が受けられる『美波町デュアルスクール事業補助金』もあります」と、担当者は話します。
●問い合わせ:
美波町 教育委員会 TEL 0884・77・3620(デュアルスクール担当課)
美波町 政策推進課 TEL 0884・77・3616(サテライトオフィス担当課)
歴史や文化を感じる移住体験施設で、移住の準備が可能
●栃木県[栃木市]
「蔵の街」とも呼ばれ、首都圏へのアクセスがいい栃木市では、移住体験施設を運営。きっかけは市中心部にあったあき家に関する相談でした。あき家の活用事例となるように、市で借り上げてリフォームし、移住希望者や田舎暮らしの体験希望者が使える移住体験施設として整備。
さらに、市に寄付された築160年を超えるあき蔵も改修し、現在、2施設を運営しています。第1号となった「やどかりの家」は、古民家の魅力を生かした建物で、懐かしさのある田舎暮らしが体感できます。
あき蔵を改修した「蔵人館(くろうどかん)」は、内部をリフォームして居住区間とカフェスペースを併設。両施設ともWiFiが完備されています。
「利用者には、東京への通勤やテレワークなど、移住に関する不安を解消してから移住した方がいます。また、利用中に市の空き家バンクを活用し、物件の内覧や手続きをした方も。これまでの利用は196組。うち18組(42名)が移住しました。市では移住定住支援コーディネーターを配置し、滞在中の移住相談や、2拠点暮らし・移住の準備をサポートします」(担当者)。
●問い合わせ:栃木市 地域振興部地域政策課 TEL 0282・21・2453