甘いものについつい手が伸びる時季。見た目のかわいいおやつには、器をコーディネートすれば、より気分が盛り上がります。
ここでは、ESSEが注目する料理ブロガーで、テーブルコーディネートに定評のあるぶち猫さんに、家でカフェ気分を味わえる、おやつの器選びのテクニックを伺いました。
ケーキをあえて和食器に!おやつが映えるテーブルコーディネート術
なにも予定のない休日の昼下がり。そうだ、お茶をいれておやつにしよう。そんなときにどんな器を使いますか。
華やかなイメージのある甘いものには、ベーシックな白い洋皿やかわいらしい花柄の器を使ってしまいがちではないでしょうか。もちろんそんな器使いも素敵ではありますが、おやつを盛りつけるときに意外とおすすめなのは、暗い色合いの器です。
写真は、バタートーストに夏の名残のイチジクをのせて軽く焼いて、はちみつをかけたオープンサンドイッチ。グレーの器に盛りつけると、トーストのキツネ色とイチジクのやわらかなピンク色が、浮き上がるように際立っておいしそうに見えます。
●暗い色合いのお皿が、おやつを際立たせる
こちらは、同じくイチジクを四つ切にして、アーモンドクリームに敷きこんで焼いたシンプルなタルトです。
ホールのタルトやケーキを盛りつけるときに一枚あると便利なのが、リムの狭い平らなお皿。平らな部分が広めでシンプルなものを1つもっていると、おみやげでホールケーキをいただいたときや、お客様用にタルトを焼いたときなどに、幅広く対応することができます。
和菓子を盛りつけるときに便利なのが、木製の器。写真は、お茶の器とお茶菓子を一緒に盛りつけることのできるプレートです。
お抹茶と水菓子の組み合わせもこんな風に盛りつけると、ちょっとしたカフェで一服しているような楽しい気分になります。
●和食器をおやつの器に活用する
洋菓子は洋食器に、和菓子は和食器に。ついつい決まった組み合わせにとらわれがちですが、洋菓子を和食器に盛りつけると意外なおもしろさに出合えることがあります。
写真は、小さなカヌレを特徴的なフォルムの染付の器に盛りつけたところ。
もちろん洋風のかわいらしい器に盛りつけても合うと思いますが、カヌレのストイックなたたずまいにモダンな染付の雰囲気が不思議に調和しているように感じられます。
こちらは、華やかなベリーのレアチーズケーキを、染付の器に盛りつけたところ。長さのあるカットケーキを盛りつけるときにはリムなしかリムが平らに近い小皿があると便利です。
かわいらしく華やかなケーキに、あえて大人っぽい染付の器を合わせることで、いつもと違う雰囲気のおやつの時間を楽しめるのではないでしょうか。
単体ではかわいいけれど、盛りつけに迷うものといえばマカロン。1人につき2つくらいの少量であれば、シンプルな長方形の和の小皿に盛りつけてもおもしろい雰囲気になります。
小さめのコーヒーカップと組み合わせれば、円形と長方形が対称になって、器の配置にリズムが生まれて見た目にも楽しい。
●小粒のチョコレートをおちょこに
たまにぜいたくをしたいときに買うものといえば、小さくて高級なチョコレート。
箱から出してそのまま食べてしまうのももちろんありですが、チョコレートのサイズに合わせて、モダンなデザインのおちょこに盛りつけるのはいかがでしょうか。
おちょこに盛りつけることで、チョコレートの味わいや香りだけでなく、繊細なフォルムも存分に堪能することができちゃいます。
●おうちで喫茶店ごっこを気軽に楽しもう
お家でつくる日常のおやつも、器の工夫次第ではまるでお店のような仕上がりになって、ちょっとした喫茶店ごっこを楽しむこともできます。
たとえばクリームソーダ。クリームソーダの専用グラスをわざわざ用意するのはちょっとハードルが高いですが、ステム(脚)のあるワイングラスで代用することができます。
写真は、自家製の紅玉のシロップとオレンジのシロップをベースにしたクリームソーダですが、夏に買って余ったかき氷シロップや濃い色のリキュールがあれば、ソーダ水とアイスクリームを使って、好みの色のクリームソーダを楽しむことができます。
今度は、コンビニで買える材料でつくったプリンアラモードです。使っているのは、市販のカスタードプリン、生クリームとカットフルーツ。
専用の台を置く場所を確保するのは難しいのですが、これも日々使っているガラスの和食器を流用すれば、気軽に楽しむことができます。
つくり方は、器にプリンを盛りつけて、生クリームを絞り出してカットフルーツを飾りつけだけ。生クリームを絞り出すのが面倒であれば、カットフルーツを添えるだけでも、十分に華やかなおやつのできあがりです。
同じ要領でフルーツパフェもつくってみました。材料は、カットフルーツと生クリーム。
使った器は、普段お水や日本酒を飲むときに使っている薄くて小さなグラスです。
専用のパフェグラスがなくても、飲み口が広がっているタイプのグラスを使えば、パフェ風の盛りつけも難しくありません。
カットしたフルーツと生クリームを交互にグラスにつめて、最後にカットフルーツをバランスよく飾りつけて、飾り用の生クリームを絞り出せばできあがりです。