なにかと物入りな年末年始まで、早くもあと3か月に。ゆとりをもって新しい年を迎えるためにはこの秋の家計管理がなにより大事!
ここではESSE読者の家計を、テレビや雑誌で活躍するファイナンシャルプランナーの前野彩さんが診断。解決策として、「ウォールポケット家計簿」を提案してくれました。詳しく見ていきましょう。
入れるだけでOK!ウォールポケット家計簿で予算を「見える化」
●相談者
内多麻莉さん(仮名・32歳)
●悩み
ぜいたくをしているつもりはないのに、毎月貯蓄には回せるお金がほとんど残らない。
家計簿はつけていても、どこを改善すればいいかわからない。
「家計簿の金額は、あくまでも数字。赤字になっても実感がなく、『ま、いいか』とスルーしがちです。予算の枠を決め、『ウォールポケット家計簿』に現金で入れて、使えるお金を“見える化”しましょう」と前野さん。
収納グッズであるウォールポケットを、家計管理に使うという斬新なテクニックを教えてくれました。
●用意するウォールポケットは100円ショップのものでもOK!
ウォールポケット家計簿は、月の予算を1週間分に分けて「1週目」~「4週目」までの4つのポケット(写真上2段)に入れて管理するやり方です。
さらに週予算のほか、塾月謝など、月に1度かかるお金や、美容院代のように2、3か月に1回使うお金、年末年始、誕生日などの特別な支出のとりおきに使う「毎月マネー」のポケット(写真左下)で、現金で管理する予算をすべて一元化して把握できます。
予算の決め方は、収入から住居費や保険料などを引き、そこからこづかいをとりおけばOK。
「残りが、ひと月に使っていいお金です。4週で割って週予算を決め、ビニールポケットに1週分ずつ入れてください。あとは、週の初めに財布に週予算を入れて、残金を確認しながら買い物するだけ。面倒な費目分けも不要です」
「ごほうびマネー」のポケット(写真右下)をつくって、週末に財布に残ったお金を入れていくのも大事なポイント。
「貯まった黒字は、最終週に好きなものに使っていいお金です。がんばった証しとしてポケットに黒字が貯まっていくのも見えるから、やりくりが楽しく長続きします」
ウォールポケット家計簿のつくり方
(1)現金で使うお金を決める
手取り収入から住居費などの固定費を引いて、残る額を計算します。
「その金額が、食費、日用雑費、レジャー費、こづかいなどに使っていい予算。金額が少なく、たりそうにない場合は、固定費を見直して予算が増やせないか検討してみましょう」
(2)月に1 回、予算を銀行で下ろしてポケットに入れる
毎月1回銀行からひと月分の予算を引き出し、こづかいをとり分けます。残りを4週で割って1週分ずつポケットへ。
「毎月マネーを除いた、内多さんの月予算は8万4000円なので、週予算は2万1000円。カード払いはやめ、現金でやりくりを」
週単位のやりくりを繰り返すうちに予算感覚が身につくのが、この方法のポイント。
「スタートの曜日を決め、その曜日が4回の月は4週、5回の月は5週分の予算を下ろしてください。年間で帳尻が合うので週予算は4週月と同じ金額で大丈夫」
(3)毎月発生しないお金は専用ポケットにとり分けておく
美容院代など毎月かからないお金は、必要な月までの月数で割った額を「毎月マネー」のポケットにとりわけます。
「内多さんのように、美容院代が2か月に1回8000円なら、月予算のなかから、4000円の予算を入れておきましょう」
ここには、毎月発生しないけれど、特別な支出の予算を入れておくのにも使います。
(4)1週間分の予算を財布に入れてそのなかでやりくりする
週初めに、1週間分の予算だけ財布に入れ、出費が財布のお金で収まるように、残金を見ながらやりくりします。
「予算さえ守れれば、費目別の出費は気にしなくてOK」
成功のカギは、財布をダブル使いすること。家計のお金とこづかいを同じ財布に入れていると、予算管理ができません。
「交ざらないように、家計財布とこづかい財布をつくってそれぞれ使い分けましょう」
(5)予算がたりなくなったら翌週分から前借りする
予算がたりなくなったら、翌週のポケットから前借りします。
「翌週はその分がんばって、残ったお金の範囲に出費を抑えるのが鉄則。2週間でつじつまを合わせれば、どこにもシワ寄せがいきません」
(6)ごほうびマネーは好きなことに使っていいルールに
1週間が終わったら、財布の残金は「ごほうびマネー」ポケットへ。
「このお金は、最終週に好きなことに使いましょう。旅行用など、目標を決めればやる気も倍増!」
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