収納は、たっぷり大きいほうがものがたくさんしまえて便利。と思いがちですが、そうともいいきれません。収納で使いやすいのは、中身がパッとひと目で見渡せ、手が届く範囲のところ。
「たとえば棚などの手前に並べたものは見渡せますが、その奥は手が届きにくく、そっくりデッドスペースになりがち。せっかくスペースがあるのに、使い道がないのはもったいないですよね」と語るのは、片づけのプロフェッショナルであるライフオーガナイザーの森麻紀さん。
そんな“奥行きのあるデッドスペース”のジレンマを、すっきり解消するアイデアを教えてもらいました。
奥行きのあるデッドスペースは、「見える」ようにする!
わが家では、年に2回、決まった月に非常食や備蓄水を見直しています。入れ替えた食品は、賞味期限ぎれではないので、急な用事で食事の支度が間に合わない! という日に活躍させます。
そのためにはどこに置くといいのでしょうか? 急用がある忙しいときに使うので、置き場所がすぐにわかることと、普段の収納の出し入れにじゃまにならない場所がベスト。
そこで、注目したいのが、奥行きのあるデッドスペースです。
●普段使いの食器の奥をストック品の一時置き場に
たとえばキッチンのつり戸棚。わが家では日々のお茶碗を置いてあり、よく使う収納スペースです。ただ、奥行きがあるので、手が届きにくい奥の方のスペースがムダになりがち。
そんな場所こそ、非常食のストック置き場にぴったり! お茶碗を取る際に毎日目にする場所だから、しまい忘れや食べ忘れもありません。
●レンジ台の奥は背の高い飲料水を
それから、もうひとつはレンジ台です。
わが家のレンジ台は奥行き約45cm。普段使いには、もて余してしまう奥行きなので、引き出せる収納ケースを使っていますが、それでも、その奥にデッドスペースが…。そこに備蓄水を収納しています。
手前の引き出しを背の低いものにしているのもポイント。奥に立てておいても目につきやすく、比較的すぐ取り出せるので、外出のときにさっと持っていけます。
家の中で、奥行きがありすぎて使いこなせない場所は、けっこうあるもの。そんなスペースは、出し入れがひんぱんではないものや、一時的に置いておきたいものの収納などに使えます。
ただし、手前にものをぎゅうぎゅうにつめ込みすぎると、奥が見えなくなるので要注意。奥まで見通せるようにしておくのがポイントです。