思い出を残してものを手放すための3つの方法

心の中では「手放したい気持ちの方が大きいもの」に分類されたものをどう手放していくか。これは、物体は手元になくても、思い出が残せれば踏んぎりがつくことも多いです。
そこで、思い出の残し方についていくつかの方法をお伝えします。

●1.写真に撮って思い出スイッチにする

これがいちばん簡単かつメジャーな方法ではないかと思います。思い出の品を撮影し、スマホに思い出フォルダをつくってそこに保存します。

そもそも、物理的なものを取り出して蘇る思い出は、自分の記憶の中にあり、ものはそれを再生させるスイッチみたいなものではないでしょうか。であるならば、物理的なものではなく写真でも、その思い出再生スイッチを押せるかもしれません。

それに、世の中には持ち帰れない思い出の方が多いとも言えます。たとえば旅行先で見た美しい景色は持ち帰れません。だから写真におさめるのだと思います。
スマホのおすすめ表示で過去のアルバムから写真が表示される機能がついており、その写真が懐かしくてついついタップしてしまいます。写真をきっかけにいろんな思い出が蘇ります。

写真の持つパワーは大きいので、思い出の品の整理においても写真のパワーを借りてみてはいかがでしょうか。

●2.当時の出来事や思いを書いて残す

使っていないのに何年も持ち続けてしまった思い出の品がありました。大学時代に自作した服が思い出深くて手放せなかったのです。

 

思い出日記
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当時は森ガール的な服装が流行っていて、リネンなどでつくったナチュラルなワンピースやスカートがたくさんありました。友人5~6人でそれぞれが自作した服を着て集まって、植物園で撮影会をしたのを思い出します。
「噴水の前で、なぜかエアギターをしながら撮影したな…」
「そうだ、生地選びにものすごく迷って、当時の自分にしてはかなり高いメーター単価の布を買ったのだった」
など、構想から生地購入、制作、完成、撮影会、日々の着用の思い出まで、ありとあらゆる思い出が蘇ってくるのです。

もう自分の好みのテイストでもないし、このまま持ち続けもこの先着ないことはたしかなのです。結構な数があって場所を取るので、片づけの対象としていつも浮上する存在。
視界に入るたびに「手放したいな。でも思い出深いしな…」と、捨てようとしては諦めるものでした。

既製品に比べて、自分でつくったものは思い入れが倍増してしまってかなり捨てるのが難しいものですね。しかし、片づけ当時は引っ越しを控えたタイミングでした。一軒家から1LDKへ移ることが決まっていたので、現実的に物量を減らさないと新しい家にものが収まりきらないことは火を見るよりも明らか。

では、思い出の服を残すために、普段着ている服を手放すそうか? とも一瞬考えたものの、それでは本末転倒です。

そこで、思い出だけ残して物理的なものは手放せたらよいなと思いました。

まずは写真に収めようとしたのですが、写真自体は完成したときに散々撮っているわけです。制作や撮影会の日の植物園の空気など、もっと詳細な思い出を残したいのだと気づきました。

そこで、絵日記を描いてみることにしました。噴水の前でエアギターをしたことなどを交えつつ日記をつけたら、不思議と心がすっきりしました。

そして、服そのものは手放すことができました。それは、「思い出はちゃんと残せた」と思えたから。

写真に撮るだけでは納得がいかない場合は、手に入れた思い出から実際に使った日のことなど、思い出深いエピソードを日記にしるしてみるのがおすすめです。

●3.データ化すると災害時にも安心

卒業アルバム、家族がつくってくれたアルバム…。紙の写真も手放すのが難しいものではないでしょうか。

データ化1

学生時代にフィルムカメラを愛用していたため、4年間で膨大なネガとサービス版プリントが溜まっていました。押入れの何割かを占める写真をどうにかデジタル化できないかと思い、スキャンサービスを利用しました。
ネガを預けると、スキャンしてデータ化してDVDなどに焼いて送り返してくれるサービスです。

データ化2

ネガのない卒業アルバムなどにも、スキャンサービスは存在しているので、アルバムの整理で悩む方にもおすすめです。

データ化したものをクラウド上にアップロードしておくことは、災害時に思い出を守るために有効かもしれません。

以前台風に見舞われた際に避難を検討したことがありましたが、リュックひとつに最低限の荷物をまとめた時に、持ち出せるものの少なさを痛感しました。思い出ボックスの中身を丸々持っていくことはできません。

もしこの部屋が水浸しになったら、思い出の品も物理的に残していたアルバムも、復元が難しいだろうなと思いました。そのときに、いっそデータ化しておいた方が思い出を失わないですむのかもしれないと思いました。家が浸水してもデータは残ります。

 

とはいえ、なにもかも一気にデータ化するというのは難しいですよね。心が追いつかないかもしれません。思い出の品は、心のスピードに合わせることが必要なのではないかと思っています。
冒頭でも書きましたが、いちど手放したら買い戻せないのが思い出の品です。ある程度の空間が確保できるなら、納得できるまで持ち続けて、じっくり判断していくのがいちばんだと思います。

 

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