大の漫画好きとしても知られるTHE ALFEEのリーダー・高見沢俊彦さん。ここでは、そんな高見沢さんが、今イチオシの漫画を紹介! 今回は、高見沢さんが「タイトルにメタル魂を揺さぶられました!」と話す作品が登場します。
管理社会に立ち向かう反逆の物語『菌と鉄』
『菌と鉄』片山あやか/著 講談社刊(1)
キノコが人類を支配した世界。人の脳に寄生したキノコは自由を奪い、徹底した管理社会を築き上げていた。しかし、主人公のダンテだけは例外だった。ある少女との出会いから、世界への反逆に身を投じることになり…
菌と鉄
●タイトルにメタル魂を揺さぶられ、思わず飛びついた作品
名は体を表すと言いますが、コミックもタイトルは物語を象徴的に表すと思っています。今回紹介する『菌と鉄』がまさにそれ! タイトルが自分の中にあるメタル魂を揺さぶって、思わず飛びついたコミックでした。THE ALFEEにも「鋼鉄の巨人」というメタル楽曲がありますが、惹かれるタイトルというのは同じ傾向の香りがしていますね。
勿論、タイトルだけではなく内容も秀逸です。人類は菌類であるキノコに脳を支配され、自由な意思や行動は制限され、些細なミスを犯しても処刑されます。そんな世界で主人公ダンテが覚醒し成長する物語ですが、1巻のラストで彼がカプセル薬によって鉄化した腕で、一撃のもとに敵を倒すシーンの画力が素晴らしい。次の展開が楽しみになりました。
ここ数年、新型コロナウイルスによって、僕らも演奏する自由を著しく制限されています。一刻も早くこの閉塞感漂う状況から脱出したい! その思いを強くしたコミックでもありました。