料理をつくる場としてはもちろん、家族が集う場としての役割も果たすのがキッチン。各メーカーの担当者に、2022年の最新トレンドを直撃取材しました。ユーザーが求める、効率的でかつ居心地のいいアイテムが続々登場しています。新築やリフォームを検討中の方は要チェックです。

対面型のキッチン
キッチンにいながら家族と会話を楽しめる、対面型を選ぶ人が増えている
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Q1.最近のトレンド、ユーザーの購買傾向は?

A.機能性とデザイン性の両立がさらに進化。家族と会話を楽しめる対面型の需要も高まりも!

共働き世帯の一般化に加え、コロナ禍での在宅時間の増加はキッチンへのニーズにも影響を与えています。

「使い勝手や清掃性などの機能性とLDK空間を心地よく過ごせる高いデザイン性の両方を求める傾向」(パナソニック)もその表れ。

「手入れのしやすさやマグネットで自在にアレンジできるカスタマイズ性が支持され、ホーロー採用商品が人気」(タカラスタンダード)という回答もありました。

「キッチンにいながら家族と会話を楽しめる対面型(アイランド型・ペニンシュラ型)は以前から人気ですが、その傾向がより強くなっている」(TOTO)そうで、キッチン=コミュニケーションの場という意識はより広がっているようです。

●冒頭の写真は、TOTOシステムキッチン「THE CRASSO」スリム対面・フラット型

 

Q2.人気のアイテムやサービスは?

A.高い付加価値が求められるなか、各社、独自性を追求。オリジナルアイテムが続々登場

キッチンに高い付加価値が求められるなか、各社、独自性を追求。オリジナルアイテムが高い支持を集めていました。

マットな質感のホーロー扉柄が特徴のタカラスタンダードの「レミュー」は、ホーローの製造にインクジェット印刷技術を取り入れた国内初技術によって実現。TOTO独自の「クリスタルカウンター」は、すりガラスのように光を取り込む明るさに加え、手入れのしやすさや高い耐久性を誇ります。

機能性&効率性を求める人は多く、パナソニックでは自動ファン掃除機能つき「ほっとくリーンフード」や有機ガラス系樹脂素材を使った「スゴピカ素材」のカウンター&シンク、「ワイドコンロ」が人気を集めているそう。

タカラスタンダードの「レミュー」

●タカラスタンダードのホーローシステムキッチン「レミュー(柄:灰緑・はいみどり)」

 

スゴピカ素材 ラクするーシンク

●パナソニックの汚れにくく、高い強度を誇る「スゴピカ素材 ラクするーシンク」

 

Q3.SDGsを意識したアイテムは?

A.キーワードは「省エネ」「節水」。各社でさまざまなアイテムを展開

キッチンからのSDGsへのアプローチとして、キーワードとなるのは「省エネ」「節水」。

パナソニックの節電技術「エコナビ」機能は、センサーの働きで電気・水のムダを自動的にセーブ。「IH調理器や食洗機、換気扇、水栓などに搭載されて人気を集めている」(パナソニック)とのことでした。

また、TOTOは水に含まれる塩化物イオンを電気分解して除菌できる水をつくる「きれい除菌水」生成器や、節水効果もあるタッチレス水栓などをラインナップ。「“きれい快適”と“環境”を両立する商品を『サスティナブルプロダクツ』と位置づけ展開」(TOTO)しているそう。

タッチレス「きれい除菌水」生成器

●TOTOのセンサーに手をかざすと除菌できる水が噴霧される、タッチレス「きれい除菌水」生成器

 

Q4.コロナの影響で売れた商品は?

A.非接触のタッチレス水栓、除菌水に注目が集まる。おうち時間の増加でワイドコンロも人気

「非接触のニーズに対応したタッチレス水栓が大きく増加」(タカラスタンダード)、「ヌメリ防止、まな板や包丁の除菌ができる『きれい除菌水』がさらに好評」(TOTO)というように、コロナによる衛生意識の高まりは、キッチンの売れ筋にも影響。

また、おうち時間の増加が生んだトレンドも。「対面型レイアウトが増加」(TOTO)しているのは、開放感があり、調理中も家族と話せるから。さらに家族一緒に調理する機会が増え、「大きな鍋が3つ同時に使え、2人並んで加熱作業ができるワイドコンロが人気」(パナソニック)だそう。

 

節水にもつながる「タッチレスハンドシャワー水栓

●タカラスタンダードの節水にもつながる「タッチレスハンドシャワー水栓」

 

ゆったり調理できる「フラットワイドコンロトリプルワイドIH」

●パナソニックのゆったり調理できる「フラットワイドコンロトリプルワイドIH」