ファッションの世界では早くも秋の様相。こっくりとした秋色の洋服が店頭に並び始め、なにを買おうかウキウキとしてしまいます。
「ですが、ちょっと待って! クローゼットには新しく買った洋服が収まる余裕がありますか?」と警鐘を鳴らすのは、整理収納アドバイザーの大木聖美さん。
クローゼットに服をつめ込みすぎると起こる「怖い話」と、解消法について語っていただきました。
クローゼットに服をつめ込みすぎると、お金も時間もムダになる理由
ついつい買いすぎてしまい、クローゼットの容量以上に増えてしまった洋服たち。
「ギュッと寄せれば、なんとか入るかも!」
「なんとなくどこになにがあるか把握してるから、大丈夫」
整理をせず、そうやってつめ込まれた洋服がどうなっていくかご存知ですか?
今回は、整理をしないと起こってしまう洋服の怖い話をお伝えします。
●その1:ハンガーにかけていてもシワになる!
すべての画像を見る(全5枚)引き出しにつめ込まれた洋服は、圧迫されることにより畳みジワがついてしまいます。
ハンガーにつるしている洋服も、やはりつめ込むことによりシワが寄ります。
厚手のコートでも同じ。一定の圧力が長くかかっている状態が続くと、シワになります。厚い生地のシワは直すのがとても大変ですよ!
●その2:虫がつき、お気に入りの服が穴だらけに!
長年しまっていた衣類に数か所穴があいていたとしたら、それは衣類害虫のしわざ。
衣類の繊維を食べて成長する衣類害虫が好きなのが、クローゼットやタンスの中です。
暖かくて湿気のある環境を好むので、衣類がつめ込まれていると、絶好の住まいになってしまうのです。
衣類害虫の代表格・カツオブシムシの成虫は、1匹で大量の卵を産むそう。そんな虫とは絶対に同居したくないですよね!
そのためにも湿気がたまらない環境づくりが大切です。
防虫剤も有効ですが、その前にクローゼットやタンスに洋服をつめ込みすぎず、ある程度風通しのよい量を保つこと。そしてこまめに換気をすることを心がけてみてください。
●その3:洋服やバッグ、ベルト、靴までなんでもカビが生える!
洋服やバッグなど、湿度が高い場所に長年保管されていると表面にカビが生えてしまうことがあります。お気に入りの洋服にカビが発生してしまったらショックですよね。
どうしてカビが生えてしまうのかというと、やはりこれも湿度です。北側の部屋や梅雨時期など湿度が高くなる状態は要注意。
さらに洋服がつめ込まれた環境というのも原因となります。通気性が悪くなることで湿度が高まりやすくなるのです。
できてしまったカビを自宅で落とすのはひと苦労。全部落としきれない場合も多いので、クリーニング店にお願いするのが安心でしょう。
●その4:服が臭くなって悲しい気持ちに!
洋服をつめ込みすぎていると風通しが悪く、湿気がたまり、洋服にとっては最悪のコンディションとなります。
カビが生えてしまった洋服からは、汚れだけでなくいやなにおいまで発生してしまいます。
カビ臭い洋服を着ている自分を想像するだけで、いやな気分になりますよね。いかに風通しのよいクローゼット環境が大事なのか、おわかりいただけるかと思います。
●その5:服を取りづらく、選ぶのに時間がかかる!
たくさんつめ込まれた洋服は、どこになにがあるかわかりづらくなります。そのためシチュエーションに合った洋服を選ぶのにも時間がかかってしまうことに。
また、お目当の洋服がどこにあるかわからず、結局ほかの洋服で我慢…なんてことになったら本末転倒です。
●その6:着る服がなくなり、お金がムダになる!
洋服が増えてどこにあるか把握しづらい状況になると、結局手に取るのは、取りやすい場所に置いてある「いつも着ている洋服」ばかり。
たくさんあるのに決まったものだけという状況が、「着る服がない」という思考に結びついてしまうのです。
ですので手持ち服はたくさんあるのに、いつも洋服を買ってしまうという悪循環に。
さらに、手持ち服を把握できていないがために、同じような洋服を買ってしまった! なんてこともありがちです。
全体量が把握でき、すべての洋服がすぐ着ていける状態になっていればこのような悪循環は起こりません。
洋服を買うのにはお金がかかります。
せっかくのお金をムダにしないためにも、買ったものはつめ込まず、きれいな状態で保管しましょう。
虫に食われたり湿気でくさくなった衣類を買い替えたり、カビた洋服をクリーニングに出したり、はたまた着たいものが見つからないからと新しい衣類を常に購入したり…。
お金はかかるし探し物にも時間もかかるし、いいことがありません。
せっかく購入したお気に入りの洋服のためにも、そんな環境を変えてみませんか?
まずは今シーズン1度も着なかった洋服を手放すことから始めてみてください。そしてクローゼット内の換気をこまめにするよう気をつけてみましょう。
クローゼットの洋服が減り始めると、その快適さに気づくことができます。
風通しのよいクローゼットは使い勝手もよく、毎日の洋服選びが断然楽しくなるはずです。