卵とバターを使わないパン教室「toiro(トイロ)」を主宰する幸栄さんの暮らしのエッセー。
2人の娘をもち、簡単につくれるおやつや、だれでもまねできるインテリアアイデア、家事を楽しくする方法など、なにげない暮らしを楽しむコツが人気の幸栄さん。
今回は、年齢を重ね考え方に変化があったことを教えてもらいました。
のんびり過ごす年末年始。おせちは元旦に準備
新しい年が始まりましたが、年末年始をどのように過ごされましたでしょうか? わが家は、いつもどおりまったりと過ごしておりました。
おせちをのんびりつくりながら、お花やしめ飾りを飾って楽しみ、子どもたちとごろごろと過ごす日々。こんな贅沢なお正月はほかにはない…と噛みしめながら過ごしました。
私の年末の定番といえば、「体調を崩して高熱を出し、寝込む」なのですが(笑)。その確率を下げるべく、年末ぎりぎりまで施術をしてくれる整体へ行きました。おかげさまで元気に新年を迎えることができ、娘たちにも「今年は元気だね~」と感心されました。もう年末に寝込むのはイヤ…。
おせちは29日からぼちぼちとつくり、元旦の朝に詰めるという呑気さ。遅すぎますよね。でも、こんなお正月があってもいいんです!
●考えを整理する時間を意図的にもつ
この休みの間、冬の海をのんびりと眺める時間もありました。ついつい慌ただしく過ごしてしまうのですが、やっぱりのんびりする時間は意識的につくるべきだし、そうすることでごちゃごちゃと絡まっていた考えを整えることもできます。
私もずいぶんいい歳になりました。数年前にはできていた無理も、もうできなくなりました。
学生の頃は「時間がなかなか過ぎないなぁ」なんて思うことが多くありましたが、今は「時間があっという間に過ぎる、時間が足りない!」と思う日々。
「時間が過ぎる体感は、自分の年齢の倍速で過ぎる」という話を聞いたことがあります。例えば40歳ならば、40倍速。ちょうど今、それを実感しているところ。時間を大切にしなければいけないですね。
去年は無理のきかない自分をため息まじりで見つめた年でした。今年は「今の自分」を受け入れ認め、じっくり自分が進むべき道を組み立てながら、無理のない速度で進んでいくことを目標にしました。
●年を重ねてから簡素なものに惹かれるように
すてきなものにもずいぶん鈍感になった気がします。原点に戻っているのかな? というくらい、とっても簡素なものに惹かれるようになってきました。
例えば、スーパーに入っているパン屋さんのアップルパイのようなものが愛しくそして懐かしく、おどろくほどおいしく感じられます。
「ねえ私、これからどう生きていきたい?」
そんなことをふんわりと考え続けていた年末年始でした。時間をもつことで、考えが確固たるものにまとまり、2022年を無理のない範囲で張りきってスタートすることができそうです。
「今の自分」を受け入れて無理のない速度で進んでいくには、なによりもまずは、健康が1番です。健やかに笑顔で過ごせる、そんな日々になりますように。