古今東西、本やドラマ、映画などで描かれてきた嫁姑問題。大人の女性同士が、結婚によって急に“母娘”になれるわけもなく、そこには努力や諦め、意見のすり合わせが必要になってきます。
ESSE読者に義実家トラブルについてアンケート調査を実施したところ、大半の人が「トラブルを抱えている」と答える結果に。
ここでは、過干渉の嫁姑問題に悩む方と、画期的な方法で姑との関係性を築いている方に、それぞれ取材を行いました。
食事の味つけから家族の服装にまで口を挟む義母。夫の態度が悪いとなぜか嫁をお説教
最初にご紹介するのは、結婚5年目の敦子さん(仮名)のケース。
敦子さんの自宅はもともと義実家とは離れていました。しかし、最近になって偶然、義父が敦子さんの自宅近くに単身赴任で引っ越しをしてきたそう。
そこから他県に住む義母との距離が近くなり、なにかと敦子さん家族の生活に口を挟むようになったといいます。
●少し落ち着きがないわが子に疑いの眼差しを向ける義母
まず直面したのは、子どもの名づけ問題。子どもが誕生した際に義母がいろいろと名前を提案してきました。
「義母はもともと自分の思いどおりにしたい傾向があり、私も夫もお願いしていないのに名前を提案してきて困りました」
最近は、少し落ち着きのない子どものことを「発達障害ではないか」と疑ってくるといいます。
「七五三の際、子どもがじっと座っていられず、祈祷のときに何度も立ち上がったり、走り回ったりしてしまったんですが、『ほかの孫は同じ時期にじっと落ち着いて座っていた』と責めるように言われたことも…。最近は孫同士を比較する発言が増え、プレッシャーもあります」
発達障害は診断が難しく、当事者にとっては極めてデリケートな問題。
「たまにしか会わない義母に、軽々しく決めつけてほしくない」と敦子さんは感じています。
●夫の態度が悪いのは嫁のせい!?下着の買い替え時期まで指導されて…
子どものこと以外にも、家族の生活に口を挟まれることが増えてきたという敦子さん。
「夫が少しシワになったシャツを着ていたら注意されてしまったので、義母に会うときはクリーニングに出したシャツを夫に着せるようにしています。さらに、もういい大人なのに、『夫の下着は半年ごとに買い替えるように』とも言われて…」
極めつけは、夫の態度が悪いと、次の日に敦子さんを電話口に呼び出し、お説教をすること。
「自分の息子である夫に義母が注意をしても聞かないので、私から夫に注意をするように言ってきます。義母は感情の起伏が激しく、うまくつき合っていくのが本当に大変です」
じつの娘のように振舞うことにしたらストレスフリーに!近々始まる同居が楽しみ
一方で、「義実家に対してなんのストレスもない」という人も。
結婚11年目の梓さん(仮名)が、どのように嫁・姑問題を楽しんでいるのか取材をしました。
●悪口は言わない!ストレスもためない!が始まり
梓さんも結婚当初は、義実家に対して緊張したり、ストレスを感じたりすることもあったそうです。でも、あるときから、「自分が身がまえていては義両親との関係も疲れてしまう」と感じ、「ありのまま」を見せることに。
「とにかく結婚当初から義実家の悪口は言わないように心がけていました。縁があって出会った方たちですから、仲よくやっていきたいのがまぎれもない本心。なので、まずは自分がじつの娘のようにふるまおうと考えたんです」
義両親の前で「いい嫁」としてふるまうのではなく、じつの娘のように行動することにした梓さん。
「実家と同じように、義両親の家ではとにかくリラックス。ソファに寝転がったりもしますよ。ほかには、私が仕事に出かけたあとに雨が降ってきそうなときは、近居の姑に電話をして『洗濯物を取り込んでください』とか、火の始末が心配なときは『火が消えているか見てきてください』と、どんなことも頼ってしまうんです」
●嫁の立場から同居を提案し、新居も購入!
さらに梓さんの希望で、これから同居の予定もあると言います。
「私の希望で義実家と同居の話をしました。義両親も快諾してくれたので夫と新居を探し、購入したところです。これからの生活がとっても楽しみなんです。義両親は私のことを『変わった嫁』って思っていると思いますが、私は今後も『ありのまま』の姿で、義両親と楽しく暮らしていきたいと思います」