個人型確定拠出年金「iDeCo」。老後の資金をつくるための私的年金制度の1つですが、「一括」と「分割」で受け取るのではどちらがおトクなのでしょうか…? 気になる疑問をお金のプロに聞いてみました。

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iDeCoを受け取るなら(一括)VS(分割)

iDeCoを受け取るときは、全額をまとめて1回で受け取った方が税金がおトク? それとも分割で毎年少しずつ受け取った方がいいの? お金のプロに聞きました。

悩み女性
iDeCoを受け取るなら、一括と分割どちらがおトクなの…?(※画像はイメージです)
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●一括受け取りと分割受け取りにかかる税金の比較

年間のかけ金27万6000円を30年間積み立て、65歳時に受給開始する場合。受け取り金額は運用益は考えずに828万円とする(分割の場合は年41万4000円を20年間受け取る)。ちなみに退職金は1000万円(勤続30年)、公的年金は150万円とする。

【65歳で一括受け取りした場合にかかる税金】

23万4598円/年

(65歳以降、公的年金の受給で別途18万3798円の税金を払う)

【65歳から分割受け取りした場合にかかる税金】

24万4093円/年

(公的年金にかかる税金を含む)

iDeCo、退職金、公的年金にかかる所得税、住民税、社会保険料の合計、配偶者ありで試算。

条件が変わると税額も変わります。

●一括受け取りの方が支払う税金が少額ですみおトク

イラスト一括分割

iDeCoを受け取るときにかかる税金については、退職金と公的年金を合わせて考える必要があります。また一括受け取りと分割受け取りとでは、「所得」の種類が異なり、かかる税額も違います。

一括の場合は「退職所得」になります。iDeCoのほかに退職金がある場合は合算した金額から退職所得控除を引き、2分の1にした金額が退職所得。この金額に税金がかかります。iDeCoの受け取りにかかる税金はこの1回だけですが、65歳以降に受給する公的年金には別途税金がかかります。

一方、分割の場合は「雑所得」になります。公的年金と合算して公的年金控除を引いた金額が雑所得で、この金額に税金がかかります。税額は若干変化しますが、iDeCoを受給している間はずっと払うことに。また受け取り回数は年1回、2回、4回、6回が指定できますが、受け取るたびに440円の手数料がかかります。

以上のように引かれる税金や手数料を考えると一括がおトク。ただし一括の場合は大金を手にして気が大きくならないように注意。計画的に使うことが大切です。

 

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