家賃や光熱費、保険料などは、必要経費だからと節約からきり離して考えていませんか?
「チリも積もれば…と実践していた小さな節約術よりも、じつは大幅に節約できるところです」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん。

賢くコストカットできる方法を教えてもらいました!

日常生活
細かく電気をオンオフするよりも、プランを見直す方が効率的な節約になることも
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地味な浪費の原因は固定費にあった!貯めるために見直したいこと

●口座などからの自動引き落としはムダの宝庫

ムダな出費が放置されていることが多い、自動引き落とし。通っていないスポーツジムの年会費や、不要なオプションをつけた生命保険料などに心当たりはありませんか?
「なににいくら引き落とされているのか」を一度見直してみるだけで、不要な出費が減るはずです。

<よくある「払いすぎ」例>

・生命保険料
・子どもの習い事
・有料放送
・スポーツジムの年会費
・金利の高い住宅ローン
・スマートフォンのオプションサービス
・新聞代

●住む場所を安い家賃だけで選んではいけない

マンガこどもサッカー

「公的サービスがどれだけ充実しているか」も、住む場所の選択肢に入れましょう。

たとえば都心部で家賃が高めに設定されているエリアでも、子育て中の世帯への補助が手厚い場合は、家賃が安い郊外よりも、実質的な支出を減らすことができます。「子育て充実自治体」などのキーワードで検索し、情報収集を。

●「自家用車をもつ」ことの価値を見直してみる

自家用車を25歳から10年ごとに買い替えて75歳まで乗り続けた場合、トータルでなんと2500万円以上の出費に!
交通機関が発達している場所に住んでいる人なら、レンタカーやカーシェアリングなどで費用を抑えることも検討して。

<25歳から75歳まで、10年ごとにクルマを買い替える場合>

・クルマ代:180万円×5台=900万円
・車検・オイル交換など:1台15万円×4回×5台=300万円
・ガソリン代・自動車税・自動車保険年間15万円×50年=750万円
・駐車場代:月1万円×12回×50年=600万円
→合計2550万円

●「マイホーム」にこだわってはいけない

マンガ老夫婦

「家はライフステージに応じて住み替えるもの」と考えて。子どもが学齢期の間は、通学しやすいエリアの広めの一軒家でも、老後は夫婦2人が生活しやすいマンションに引っ越すなどし、空間と費用のスリム化を。

50代半ば以降は、現金収入を老後資金に回せると安心です。

●電気やガスの基本料金は下げられる

以前は地域で決められた電力会社・ガス会社としか契約できませんでしたが、経済の活性化を目的に、国が規制を緩和。新規の小売業者の参入が促され、価格やサービスの競争が活性化しています。この機会に、今の契約内容よりおトクなものがあるか、プランを比較してみましょう。

国が推奨するおトクな政策や制度には乗っかって損なし!

電力・ガスの自由化だけでなく、国が推奨する政策や制度はこまめにチェックを。乗っかって損はありません。代表的なものをご紹介します。

・確定拠出年金
公的年金の上乗せ年金のひとつ。投資信託などの運用先を自分で選び、運用成果で将来の年金額が決まる。かけ金が節税となるメリットがある。

・住宅ローン控除
住宅ローンを払い始めてから10年間、所得税や住民税が安くなる制度。新築や中古物件の購入だけでなく、リフォームをした場合も対象。
※専有面積が50平米以上、リフォーム工事費が100万円以上など、一定の条件を満たすことが必要

・ふるさと納税
自分が選んだ自治体に寄付ができる制度。寄付金から2000円を差し引いた金額が、原則として戻ってくるうえ、お礼に特産品がもらえる。

<漫画・イラスト/入江久絵 取材・文/ESSE編集部>