しっかりと戸締まりしているのに、室内にいないはずのゴキブリやアリ、ムカデなどが入り込んでいて悲鳴をあげた…なんていう経験はありませんか?
「衛生面はもちろん、赤ちゃんが噛まれたりすることもあり、防ぐにこしたことはありません」と語るのは、害虫駆除を専門的に行っている須藤淳さん。
どこから害虫が入り込んでしまうのか、どうやって防ぐのかを伺いました。
屋外からの害虫の侵入。防ぐには、まず侵入経路の遮断を!
害虫の代表格であるゴキブリは、大きく2つの種類に分けられます。
「飲食店などで見かけるのは、小ぶりで薄茶色をしているチャバネゴキブリ。クロゴキブリはチャバネゴキブリよりも大型で色が黒く、家庭でよく見かけます」と須藤さん。
じつはこれらのゴキブリは、生息する場所が異なります。
「チャバネゴキブリは屋内型で、クロゴキブリは屋外型。つまり、家庭で見かけるクロゴキブリは屋外から侵入して来たと考えられます」
●窓から入った形跡がないのに、室内に害虫が!侵入を防ぐ防御策とは?
屋外にいるはずの害虫は、どうやって家の中に侵入するのでしょうか。
「戸建の家で、外壁と基礎の境目にある「水きり」をご存じでしょうか? 雨水が基礎や土台に染み込むことを防ぐために外壁の全周に設けられています」
家を湿気やカビなどから守るには不可欠な水きりですが、じつは土台や基礎に通じる隙間があります。
「害虫の多くは 小さな穴でもくぐり抜けることができます。水きりから侵入した害虫は床下を経由して、配管工事でできた隙間から室内に侵入します」
侵入した害虫は、水回りを好みます。
「脱衣所でゴキブリやムカデが出たというケースがよくあるのですが、それは水きりから侵入したものと思われます」
害虫の侵入を防ぐためにいちばん効果的なのが、侵入経路の遮断。
水きり以外にも、外部からの侵入経路として排水口や通風口、換気扇やエアコンなども要注意です。
「入口となる水きりやエアコンの室外機などの隙間をなくすこと、またその周囲に忌避剤を散布して、害虫を寄せつけなくする方法があります。床下に通じる隙間や穴も点検して、ホームセンターで販売されているコーキング剤などを使って埋めるようにしましょう」
●仲間を呼び集める!アリの「道しるべフェロモン」にご注意
一軒家の場合、アリの侵入に悩むケースも。
「アリの“道しるべフェロモン”をご存じでしょうか? アリがエサを発見するとフェロモンを分泌させながら巣に戻り、仲間にエサのありかを知らせる習性があります」
室内にアリが継続的に侵入してくるときは、道しるべフェロモンが残されていることが考えられます。
「そのようなときは、アリを発見した場所の周辺を洗剤で水ぶきをすれば、アリの侵入を減らすことができます。もちろん、アリのエサとなるものを取り除くこともお忘れなく」
駆除業者による害虫防除サービスもお願いできますが、まずは家庭でできる対策をしてみましょう。