日本には、地元では有名だけど、全国区ではあまり知られていないローカルフードがたくさんあります。熊本県のソウルフードとも言われる「ちくわサラダ」もそのひとつ。
一見、普通のちくわの天ぷらですが、中身にちょっとひと工夫されており、なぜか今、人気沸騰中なのです。全国のご当地グルメを紹介する『秘密のケンミンSHOW』や、人気お笑い番組『アメトーーク!』のちくわ芸人の回でも紹介されたほど。
知られざる「ちくわサラダ」の魅力を、熊本在住ライターの松野久美さんが教えてくれました。
ちくわとポテサラのいいとこ取り!?熊本のソウルフードがバリうまか
「ちくわサラダ」とは、太めのちくわにポテトサラダをつめて天ぷらにした、総菜の一種です。なんとなく味が想像できるかもしれませんが、食べてみると、ガラッと印象が変わりますよ。
私は3年前に関東から熊本に引っ越してきたのですが、最初はそれほどそそられませんでした。夫からの「まぁ食べてみなよ」のひと言で口にすると…人気の理由がわかりました!
衣のカリッとした食感のあとにジュワッと油が口の中に広がり、なんとも素朴で懐かしい味わい。熊本は転勤者も多く、他県出身の人との間でもたびたび話題に上がるひと品です。
●シンプルすぎるのに、最強タッグ。「ちくわサラダ」はなぜ人気?
このちくわサラダ、じつは熊本を中心に、九州各県に多数店舗を構える総菜専門チェーン「おべんとうのヒライ」の看板商品なんです。
「ヒライ」は24時間営業で、イートインできる店舗もあり、一部スーパーのテナントでもお弁当や惣菜を販売しているので、熊本県民にとってはコンビニのようになじみがあります。
私がよく利用する店舗では、入ってすぐのいちばん目立つ位置にちくわサラダが陳列されていました。ある日は、午後1時頃の時点ですでに残り少なく、その人気ぶりが伺えました。
晩ご飯のおかずにお弁当に!晩酌のお供にもなる万能選手!ちくわサラダをつくってみた
そのままはもちろん、ウスターソースやしょうゆなど、どんな調味料とも相性バツグン。私たち夫婦はからしじょうゆをつけて食べるのがお気に入りです。ボリューム満点で夫も好物!
「おべんとうのヒライ」の看板商品なのだから、お弁当にも合うだろう! と思い立ち、手づくりしてみようとコンビニでちくわとポテサラを購入。
地元が熊本の知人につくり方を聞きました。
【ちくわサラダのつくり方】
(1) 太めのちくわを用意し、縦方向に切れ目を入れる。
(2) (1)にポテトサラダをつめる。ポテトサラダはたっぷりと入れるのがポイント。輪が閉じなくてもOK!
(3) (2)に天ぷら粉をまぶして揚げれば完成!
今回、料理が得意ではない私は、揚げずにアレンジ。焼いただけ、焼かずにそのまま、の2種類のちくわサラダをつくってみました。
●“焼いただけ”ちくわサラダは、ヘルシーでおいしい!
左は、ちくわにポテトサラダをつめ、片栗粉をまぶして焼いただけ。カリッと香ばしく、揚げたものよりヘルシー!
本家よりあっさりするぶん、ちくわとポテサラのコンビネーションのよさを楽しめました。
●“そのまま”ちくわサラダは、夏のおつまみにぴったり!
右は、ちくわにポテトサラダをつめただけ。ちくわの風味や食感などをダイレクトに感じておいしい! おかずよりおつまみにおすすめです。
ポテトサラダが余ったとき、天ぷらの具材のひとつにと、思い立ったらできるのでご家庭でもつくってみてはいかがでしょうか。
<撮影・取材・文/松野久美>