言葉の力で、ネガティブな思考をポジティブに変える「口グセリセット」が話題です。
「ふとしたときに無意識に出てしまうのが口グセ。このなにげない言葉がもつ影響力は侮れません」と話すのは、心理カウンセラーの大嶋信頼さん。
「『どうせ私は…』『でも』など、後ろ向きなネガティブ口グセを繰り返していると、自分自身をネガティブに捉えてしまうのです。前向きな口グセに変えることで、行動も変わっていきます」
無意識にネガティブな言葉を口にしているかも!ネガティブ口グセの見つけ方
無意識に出てしまう口グセは、なかなか自分ではわからないもの。周囲に聞いても出てきにくいので、以下の自己チェックで見つけてみましょう。
(1)だれかのネガティブ口グセを心で唱えてまねしてみる
すべての画像を見る(全11枚)たとえば、だれかの口グセが「あー忙しい」なら、それをまねして心で唱えてみます。すると、なんだか余裕がなくなり後ろ向きな気持ちが湧いてくることに気づくはず。
日頃、同じようにマイナスの感情になる口グセを言っていないか、思い返してみましょう。
(2)どんなときにネガティブになるか考えてみる
ネガティブ口グセは、日常でいやだな、不快だな、と感じたときの前後につい出てしまうことが多いものです。仕事帰りに夕飯の買い物をして帰ると、「疲れたな~」と言ってしまうな、という具合に一日を振り返って探してみて。
●いやなことが浮かびやすいシチュエーション
・ひとりで歩いているとき
・なかなか寝つけないとき
・湯船に浸かっているとき
・運動をしているとき
個人差はありますが、人はひとりきりのシチュエーションのときに過去や未来のことを考え、ついネガティブな思考になりがち。血流が上がる入浴中や運動中に、いやなことが浮かんでしまう人もいます。
口にするだけで人生が好転するポジティブ口グセ集
ネガティブ口グセがわかったら、ポジティブ口グセに言い換えることを意識してみましょう。
ポジティブ口グセには、マイナスの暗示で固まった心をほぐす効果あり。ただ頭に思い浮かべるのでもかまいません。ふとしたときにつぶやいてみましょう。
使い慣れていないと拒否反応を起こすことも。意味にとらわれず、意識的に「あえて」使うんだと自覚することで、すんなり脳がきり替わります。
●「よくやっている」
疲れたり、落ち込むようなときには「よくやっている」と唱えてみます。ダメな自分を脳から追い出し、「けっこう自分のこと好きかも」と思えるように。やれなかったことにも挑戦でき、よくやっている自分を認められるようになります。
●「できるかも」
「できる」と言いきってしまうとプレッシャーになりますが、「できる“かも”」とつぶやくと、うまくいけばラッキー、ぐらいのスタンスに。大きな目標でも過程を楽しむ余裕ができるので、途中で投げ出すことも少なくなります。
●「どうでもいいじゃない」
人の反応が気になるのは、自信のなさの表れ。そんなときは「どうでもいいじゃない」とひと言。否定的なことを言われたときもおすすめです。相手と自分をきり離すことができ、「あれ、本当にどうでもいいかも」と思えてくるのです。
●「なんでもあり」
自分基準のこだわりがあり周囲とのズレを感じたら、「なんでもあり」と言ってみて。ほかの人に理解してもらえない不安から解き放たれ、自分基準をガンコに押しとおすこともなくなります。柔軟な発想ができるように変化していくのです。
●「思うようになったらいいな」
自分の将来に対して不安を感じたら、思いきった夢を描き、「思うようになったらいいな」と言ってみましょう。夢は大きいほど楽しく、自分の力で達成しようとは思わないので、心が不安からも解放されます。
●「癒やされる~」
ポジティブ口グセは、体調にもよい影響を与えます。だるくて動きたくないときは、ゆったり座って「癒やされる〜」とつぶやくと、全身の筋肉がほぐれてラクに。「病は気から」だけでなく、「病は言葉から」ともいえるので、ぜひお試しを。
●「先のことはわからない」
お金のことや子どもの将来など、心配事を抱えていると自分にも子どもにも暗示がかかり、心配したとおりのことが現実化しがち。「先のことはわからない」を口グセにすれば、ストレスをためることなく人生を楽しめるようになります。
●「けっこういい感じ!」
自分を変えたいけれど変わらない、と思っているなら、「けっこういい感じ!」とつぶやくのを習慣づけます。今の自分を認めてあげることで、かたくなだった心が緩み、気づけば過去のイメージとは違う自分を発見することでしょう。
(大和書房刊)など著書多数