ダニは、アトピー性皮膚炎や、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などを引き起こす迷惑な存在です。そんなダニが急増するのが、夏。
「夏はダニの数量が爆発的に増える季節。6月頃から急速に増え始め、夏の終わり頃に繁殖のピークを迎えます」と語るのは、清掃関連の広報業務を長年行う古屋洋さん。
家の中でダニを増やさないために気をつけることや掃除方法について、詳しく語っていただきました。
ダニ1匹から約100匹増える!フンは1匹あたり500個ほどにも
ダニは気温(20℃~)と湿度(60%~)の条件が整う6月から夏にかけて大繁殖。秋の9、10月頃には、ダニとダニのフンの数は最大となります。
ダニの寿命は約3か月。メスは1匹あたり約100個の卵を産みます。
ダニの増え方も恐ろしいものがありますが、注目すべき点はダニのフン。
1匹あたり1日に約6個のフンをするため、生息期間(約3か月間)に約500個のフンを室内にまき散らすことになります。
●ダニのフンや死骸を吸い込むとアレルギー症状が?
ダニアレルギーの症状はダニそのものではなく、ダニのフンや死がいが原因だと言われています。
死がいは乾燥して砕けるので、生きているダニよりも微細になります。
ダニのフンや死がいはダニより小さいためホコリに混じり、空中にも舞いやすくなります。鼻や口から入ることで、くしゃみや鼻水、かゆみなどのアレルギー症状を引き起こすのです。
ダニのフンがいちばん多いのは、「電気敷毛布」と「布団」!
ある家庭でダニのフンの量を調べたところ、ダニのフンがもっとも多かった場所は寝室。とくに「電気敷毛布」と「布団」に多く見られました。
【ダニのフンが多い場所ワースト5!】
1.電気敷毛布…266.3μg/g
2.布団…236.0μg/g
3.ベッド…118.7μg/g
4.クローゼット…108.3μg/g
5.敷パッド…103.0μg/g
(ダスキン調べ)
毛布や布団にはダニのエサとなる、人間のフケなどが豊富にあります。また、ダニが育ちやすい環境である、暗くて暖かく、ホコリの多い場所です。
子どもが寝ているときに咳き込む場合、布団や枕のダニのフンが原因かもしれません。
ダニを減らすコツ。夏にしっかり掃除して、秋のアレルギー症状を防ぐ!
では、どのように掃除をすればいいでしょうか。ダニやフン、死がいを減らす3つの鉄則を教えます。
●1.ホコリを舞い上げない
ホコリ1gの中にダニは約2000匹いると言われています。
ホコリが落ちきっている起床時や帰宅時に、モップを使ってホコリを舞い上げないように掃除するとよいでしょう。
●2.温度と湿度をコントロールする
夏は加湿よりも除湿が重要です。ダニを防ぐためには、湿度を常に60%以下にすることが重要。
温湿度計を利用して、エコアンの使用や換気を上手にしましょう。
●3.布団のダニを掃除機で除去
ダニのフンや死がいは微細で軽いので、掃除機を使って吸い取ります。
ただし限界もあるので、1年に1度、専門業者による「布団丸洗いサービス」などを利用するのもよいでしょう。
秋から増大するダニやフン、死がいの数を意識して、夏にしっかり掃除をしましょう。