ものを捨てたい気持ちはあっても、いざゴミ袋を手にするとなにを捨てればいいかわからない。「いつか使うかも」「もったいない」と結局捨てられない…。
そんな経験、していませんか? 夏休みに入ると家の中は散らかりがちになります。今のうちから、少しものを減らしておきましょう。
生活に必要なものを厳選すると、家事の時間は短くなります
「せっかく片づけのやる気スイッチがオンになっても、捨てるかどうかで悩んでしまう時間はもったいないですね」
こう語るのは、ライフオーガナイザーの香村薫(こうむらかおる)さん。
曰く「家事のなかでは『台所仕事』と『洗濯(服の管理)』に時間をとられがち。家事を時短するためにも、ものを減らしておくことが大切」とのこと。片づけが進まない人は、キッチンと洗濯にまつわるものから進めてみましょう。
今回はとくに、香村さんが「手放してよかったもの」を紹介します。
●手放してよかったもの1「食器」
「『カレーライス専用の深皿』『赤ちゃん用のプラスチック器』など、“〇〇専用”のお皿をすべて手放し、広い用途で使える食器だけに厳選しました」
香村さんは5人家族で暮らしていますが、人数分食器をそろえるのではなく、常に2枚ずつセットで買うことをルールにしています。
「色を白で統一するのがおすすめ。もし割れてしまっても残った皿同士でまたセットのように見せられますよ」
食器を減らすと、引き出しを開けたときに中身がパッと見渡せるように。結果的に取り出す・しまう、という行為もグッとラクになります。
さらに、家族の意識にも変化が。
「以前は、飲み物のグラスもあればあるだけ使われていたので、洗い物が増えてしまっていました。今はグラスの数が限られているので、新しいグラスを使うのではなく、使っていたグラスを各自でゆすいでまた使ってくれるようになりました」
●手放してよかったもの2「デニム」
「意外に思われるかもしれませんが、デニムを手放しました」と香村さん。
そもそも、デニムを履いてこないでください、という場所はありますが、必ずデニム着用で、と指定されるシーンは少ないもの。
「デニムを手放すと、自然とTシャツの数もそれほどいらなくなりました。これによりオンの日とオフの日の服を分けなくてもよくなり、服の枚数がグッと減ったんです」
今もっている服は、この写真に写っているものがほぼすべてです。
もちろん、「皆さんデニムを捨てましょう」という話ではありません。
「ここで大切なのは、『自分にとって必要な服』『着ると心がアガる服』はどれなのか? を考えること。私の場合はそれにデニムがあてはまらなかったのです」
自分が着たい服が明確になると、服選びがグッとラクになり、洋服の買い物で失敗することも減ったそう。
「ここでの例はデニムでしたが、大切なのは自分にとって『着たいと思う服』をまず考えること。そうすれば、なにを減らすべきかおのずとわかると思います」
今回は「キッチン」と「服」に着目した、ものの捨て方を教えてもらいました。“片づける時間もない”という方は、まずはこの2つに目を向けて家事の時短を実現させ、ほかの場所の片づけへと進んでみるのがおすすめです。
とはいえ、なんでも捨ててしまえばよいということでもありません。香村さん自身も、過去に家の中のものをほとんど手放し、極限ミニマリスト生活を7年送った結果、心身ともに不調をきたしてしまったそう。現在は反省を生かして“ほどほどに”を心がけています。
身の丈にあった片づけを目指しましょう。