がんばって節約していても、なかなか貯まらず、将来が不安と悩んでいる方も多いのでは。
「家計には、“貯めどき”と“貯められないとき”があります。焦らずしっかりと計画を立てることが大事」というのは、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん。

今回は、「子どもふたりの幼稚園の月謝が負担で、なかなか貯金できない」というESSE読者のお悩みに答えていただきました。

月謝負担
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2人の子どもの幼稚園月謝が負担で、思うように貯蓄ができません

【相談者】

林真奈美さん(仮名) 大阪府・35歳(専業主婦)
夫37歳(会社員)、長男6歳、長女4歳

【お悩み】

夫の会社はボーナスがなく、税金などの特別支出を積立で準備しています。貯蓄は、児童手当と家電用と予備費の積立だけ。

幼稚園月謝の負担が重く、子どもの持病で食費は削れません。大学資金や海外の妹に会いに行く旅費を貯めたいのですが…。

【林さんの家計収支】

夫の月収(手取り) ¥450,000
児童手当 ¥20,000
収入合計 ¥470,000

住居費 ¥88,500
食費 ¥55,000
電気・ガス料金 ¥12,000
水道料金 ¥5,500
通信費(携帯電話2台分) ¥8,000
   (固定電話・プロバイダー) ¥5,000
日用雑費 ¥12,000
被服費 ¥10,000
レジャー・交際費 ¥5,000
教育費(幼稚園月謝2人分) ¥47,400 

←check1

   (習い事) ¥20,700
   (預り保育など) ¥3,000
医療費 ¥26,000
こづかい(夫) ¥24,000
    (妻) ¥20,000
生命保険料 ¥22,000
学資保険料(2人分) ¥17,400 

←check2

特別支出積立 ¥45,000
予備費積立 ¥10,000
家電積立 ¥5,000
貯蓄 ¥20,000 

←check1・3

支出合計 ¥461,500
収支 +¥8,500

ボーナス収入 ¥0
現在の貯蓄 ¥3,600,000

幼稚園の月謝が減る来年から一気に貯蓄を

ボーナスに頼れないために毎月計画的に特別支出用を積み立て、児童手当も使わず貯めているのは立派! 幼稚園児が2人いる現状を考えれば、十分がんばっていると思います。

家計には、“貯めどき”と“貯められないとき”があり、林家の今は“貯められないとき”。焦らずやりくりを続け、赤字を出さないようにしましょう。

上の子が幼稚園に入れば、月謝負担が半減。さらに、下の子の月謝も、2020年度頃予定の幼児教育の無償化に向け(Check1)、軽減されそう。そうなれば3万円以上の黒字に転じますから、負担が減ったら貯蓄を増やしましょう。

具体的には、黒字のうち2万円は教育資金へ。上の子が中学に上がるまでの6年間で144万円貯まり、学資保険と児童手当の貯金を合わせれば、2人分の大学資金が準備できます。

残りの1万5000円は海外旅行資金として貯蓄を。航空会社の「旅行積立」を利用して、確実に貯めることを心がけて。

<check1>小学校入学+幼稚園月謝の減額で3万5000円の負担減

幼稚園月謝が2人分で4万7400円と負担に。ただし、少子化対策として2020年度くらいから幼児教育が無償になる予定。それに先だって、すでに無償化を実施している自治体や、保育料や月謝を減額する自治体も増加中です。

減額の場合、親の所得によって補助金額が決められ、下の子ほど補助金額が増えるのが一般的。

林さんの住む大阪府でも、来年度から減額が期待できます。金額は自治体で異なりますが、上の子の月謝が不要になる分も合わせると3万5000円程度は負担減になりそうです。

<check2>上の子が小学生のうちに、毎月2万円の教育費を積み立てて

学資保険が1人150万円、加えて児童手当を全額貯めると1人200万円貯まります。来年、月謝負担が減ったら、そのうち2万円を教育資金に積み立てましょう。

上の子が小学生のうちに144万円貯まり、教育資金合計は844万円と2人分の大学資金がほぼ準備できます。

中学以降は塾代などで貯めにくくなるので、この6年間が勝負!

<check3>海外への旅費は「旅行積立」なら有利に確実に貯められる

「一生に一度でいいので、フランスに住む妹夫婦を訪ねたい」という林さん。夢を現実にするために、旅行積立がおすすめです。

毎月一定額を積み立てると、合計額にサービス額を上乗せした旅行券が受けとれるという仕組みです。たとえば、4人分の飛行機チケット60万円を5年間で貯める場合、毎月の積立額は9398円(サービス額3万6120円)※。

有利に貯められ、ほかの目的で引き出せない点でも確実。加えて毎月5000円を滞在費用に自分で貯めていきましょう。

※JAL旅行積立「毎月払いコース」の場合