毎日の食卓に使い回すなら、シンプルな和の器がベスト。ただ、ときには、デザインや模様が華やかな洋食器も使ってみたくなるもの。
「洋食器を試してみたいという方に、まずおすすめしたいのが、フィンランドやスウェーデンなどの北欧の国々でつくられている北欧食器です」と教えてくれたのは、料理ブロガーのぶち猫さん。
自宅での日々の料理から、おもてなし、大人数でのパーティまで、季節感のある食卓がお得意なぶち猫さん。
「北欧食器の特徴は、洗練されていながら素朴さも残る、絶妙なデザイン性の高さです」
和食器にも通じる部分があるという、北欧食器の魅力と使い勝手について教えていただきました。
シンプルな無地の北欧食器は、メインにも取り皿にも万能
北欧食器は、シンプルな白い器でも細部までデザインが行き届いているので、食卓や料理をおしゃれに見せてくれます。それでいてかしこまりすぎない雰囲気なので、日常使いしやすいのです。
なかでもいちばん使いまわしが利くのは、やはり無地または無地に近いシンプルな器。
さまざまなタイプがありますが、個人的なおすすめは、リム(縁)の浅い平皿と浅めのボウル。どちらもひとつもっていると幅広く使えてとても便利です。
旬の野菜のボイルとグリルを添えた肉料理を、リムの浅いシンプルな平皿に盛りつけてみました。サツマイモの温かいポタージュ、グリーンサラダ、オーブンで温めたパンも添えました。
どの料理も和の器に盛りつけることができますが、フォルムの美しい大きめの平皿を使うことで特別感が出て気分が上がります。
小さめの平皿は、お客さまをもてなすときの取り皿に最適です。シンプルさゆえに食卓全体のコーディネートになじみやすいのもうれしいところ。
北欧食器をおすすめするもうひとつの理由が機能性の高さ。洗練されたデザインながら丈夫なつくりなので、気負わずに日常で使うことができます。
シンプルなものを選べば、洋食以外の料理の盛りつけにも活用することができます。
写真は、今年初めてつくった変わり冷やし中華。キュウリ、焼いた水ナス、トマト、ゆでソラマメ、トウモロコシ、ホワイトハムに半熟ゆで卵をトッピングしたゴマダレ麺。
和の器にもなじむ料理ですが、北欧の器を使うことでちょっとしたよそいき感が出ますね。
●インパクトが強いようで、意外と使いやすい単色の絵皿
無地または無地に近い器の次に試してもらいたいのが、単色の絵皿です。
白地に黒い線で大胆な絵柄が描かれているものが多いのですが、焦げ茶色や鮮やかな青をベースとするものもあります。
一見すると料理やほかの器との合わせ方が難しそうですが、実際は意外と使いやすいのです。
白地に黒の絵皿に、ドライカレーを盛りつけてみました。料理や食卓がシンプルなときには、メインに大胆な絵皿を使うと全体が華やかになり、メリハリがつきます。
右上のキュウリのマリネを盛りつけたガラスの器は和のもの。
シンプルなものであれば、和の器も合う懐の深さもあるので、手もちの器と合わせて活用することも。
さらに難易度が高そうな焦げ茶色の繊細な絵皿ですが、こちらも思いきって盛りつけてしまえば、割となんにでも合います。
写真は、ズッキーニの花のスパイシーな肉詰めとヤングコーンのオーブン焼きを、ざっくりと盛りつけてみたもの。ほかに、パスタやカレー、肉料理などに合わせてもおもしろい。
繊細な絵柄ですが、単色なので柄が目立ちすぎず、盛りつけた料理を程よく華やかに見せてくれます。
●少し難易度は高いけれど、つい集めたくなるカラフルな絵皿
最後は、北欧らしいさまざまな色を使った華やかな絵皿について。テイストは多種多様ですが、いずれも一枚の絵のように美しく、つい集めたくなってしまう魅力に溢れています。和の絵皿にも似ていますね。
一方で、これまで紹介してきた無地の器や単色の絵皿に比べると、個性が強い分、料理やほかの食器との合わせ方の難易度が少し高くなってしまいます。
カラフルな絵皿をいちばん手軽に使う方法は、器の表面の半分以上を覆うように料理を盛りつけることだと思います。
たとえば、カレーライスのようなシンプルな料理を盛りつけると映えますが、具だくさんのサラダ、ベーコンやハムとバゲットなど、色も質感も多様な写真のような料理を一緒に盛りつけても、絵皿と料理の華やかさが引き立てあっておもしろいアレンジになります。
このときに、合わせるほかの器やカトラリーは絵皿の柄に含まれる色にすると、統一感が生まれます。
難しそうながら、実際にやってみると楽しいのは、華やかな絵皿をいくつも組み合わせた食卓のアレンジメント。
写真は、小さめサイズのカラフルな北欧食器をいくつも組み合わせてつくった朝ごはんの食卓です。
それぞれテイストの異なる個性的な絵皿も、料理を盛りつけて並べると不思議な調和が生まれます。
しかも、絵皿の間に一緒に並べたガラス食器はすべて和の器。その微妙な違いがさらなる多様性をもたらして、食卓をにぎやかで楽しいものにしてくれます。