少しずつ自分の時間がもてるようになる50代。ただ、体力的にだんだんと無理が効かなくなる年代でもあるで、なるべくものを減らして身軽にしておきたいと思う方も多いのでは。
なかでも、なかなか減らせずに困りがちなのが「服」。
「50代からの服とクローゼットの整理は、“焦らずゆっくり”やることがポイントです」と話すのは、自身もアラフィフ世代で収納アドバイザーの小林志保さん。その方法を教えてもらいました。
あなたのクローゼット、物置になっていませんか?
まず、みなさんクローゼットになにが入っているか、すべて把握していますか? パッとわからないという場合は要注意です。服をしまう場所であるクローゼットが「物置化」しているかもしれません。
物置化したクローゼットというのは、このような状態を指します。
じつはこれ、片づけられない人間だった頃の私のクローゼットです。全体にぎゅうぎゅうで、積み重なった服が地層になっている衝撃的な状態ですが、上で紹介した写真と同じクローゼットなのです。
クローゼットが物置化するとどんなことが起きるかというと…
・着たい服がすぐに取り出せない・なにをもっているのか自分でも把握できていない
・クローゼットの扉を開いた瞬間、うんざりした気持ちになる
物置からお気に入りの服を探し出すのはなかなか大変な作業になりますよね。このようになってしまういちばんの原因は、服の量が多すぎること。
「服の数はどれくらいもっておけばいいですか?」と質問されることもありますが、各家庭によって、クローゼットの数や大きさは違います。ですから、もっておく量は自分で決めなければなりません。ポイントとしては、
自分自身がしっかりと管理できる量をもつことです。
●なぜ服が手放せないのか、考えてみる
ものを手放せない理由のひとつに『高かったから』という理由があります。独身の頃に買ったスーツやアウターをまだ持っていませんか? 現在50代の世代が20代前半の頃、ブランドものが流行ったり、洋服一枚であっても今のように低価格で購入できる場所は少なかったように思えます。
私も以前はそうでしたが、今着ることはないのに、買ったときの値段を考えるとなかなか手放す勇気が出ない、と、保管したままになっている方が多いのです。
●50代からは、短時間で一気に減らせなくてもいい
私自身、クローゼットの整理だけは2年以上をかけてゆっくりとやってきました。なぜなら手放せないと感じるものが多かったからです。
ジーンズは30着以上もち、気に入って買った服はどうしても手放せませんでした。そんな私がクローゼットを整理できるようになったのは、時間をかけて服ときちんと向き合ったからでした。
「もったいないから」「もしかしたら着るかもしれない」の気持ちは不安とつながっています。この不安な気持ちを無視して一気にものを減らしてしまうと、大きなストレスがかかってしまい、のちにリバウンドという形で大量に洋服を買ってしまうこともあるのです。
だからこそ時間をかけて、服と向き合い、納得してから減らす必要があると考えています。
●手放す方法にとらわれすぎないで
いざ、服を減らすとなったときに、捨てることに罪悪感を感じてなかなか進まないという方も多くいらっしゃいます。
服を手放す方法としては「捨てる」「売る」「譲る」「寄付をする」などさまざまな方法があります。捨てる以外の方法を考えた場合も、梱包などの準備が必要になり、その手間が面倒で、なかなか行動に移せないという方もいらっしゃるでしょう。
でも大事なのは、使っていないものを外に出し、服が選びやすく気持ちのよいクローゼットをつくる、ということ。そうすれば、気持ちも入れ替わって、その後のことを考えやすくなります。いったん手放し方のことは考えずに、まずは服の数を見直してみましょう。