「家計簿がどうしてもつけられない」「ちゃんと貯まっているのか不安」という人も、「半年に一度記入すればOK」な家計管理があれば、試してみたくなりませんか?
「ファイナンシャルプランナーなのに、節約が苦手」という畠中雅子さんが考案・実践してきた“貯金簿”は、半年に一度記入するだけで、家計管理も貯金もできるという画期的な方法です。
半年に1度でOK!家計簿なしで、家計がわかる&貯まる
貯金簿とは、預貯金の残高や住宅ローン残高などを一覧にしたもの。
「家計簿では、学資保険料や養老保険料は出費ですが、貯金簿では貯蓄としてカウントします。それらも含め、わが家にいくら貯蓄があって、負債がいくらあるか、家計の本当の実力がわかります」
さらに、半年に一度、定期的につけることで資産の増減がわかり、家計の好不調をチェックできるのも貯金簿のメリット。
「仮に1年で50万円貯金が増えていたとして、今のペースで5年、10年後にいくら貯められるか、教育資金など将来に必要なお金を準備できるかなど、将来を計画的に考えられるようになります。年間の貯蓄の目安は手取り年収の10%を目標にしましょう」
ちなみに、畠中さんによるとこんな人が貯金簿に向いているそう。
・年間の貯金額がわからない・夫婦別財布で家計の全体像が不明
・面倒くさがりで家計簿がつけられない
・家計の状況を知りたい
・たくさん運用したり保険をかけている
・住宅ローン以外の借金が多い
・家計簿をつけているけど、将来が不安
心当たりのある人は、ぜひ貯金簿にチャレンジしてみてください。
無理なくお金が貯まる!貯金簿のつけ方
それでは、貯金簿のつけ方をご紹介します。
用意するのは、ノート、ペン、定規、電卓とお金関係の書類。
「最初に貯金やローンのリストをつくってしまえば、あとは半年に1度、貯蓄やローンの残高を書き込んでいくだけ。できれば、6月と12月のボーナス時期がおすすめです。家計簿のように、毎日つける必要はありません」
まさに今月が始めるのにベストな月というわけ。
通帳などを見ながら1年前の残高を書き出し、現在の残高とくらべれば、貯蓄の増減がわかり、家計チェックもできます。
STEP1 記入に必要な書類などを用意する
貯蓄や保険、ローンの書類をすべて用意します。預貯金は通帳、保険は保険証券、住宅ローンは返済表、財形貯蓄は残高通知書(なくした人は、勤務先の窓口で確認)など。
ネット銀行や証券会社を利用している人は、残高確認のためのパソコンやスマホも。
STEP2 書類を元に表をつくり項目ごとに金額を記入する
下の表を参考に見開きのノートに記入します。貯蓄は「預金」「保険」「その他」の欄をつくり、それぞれ「名義」「金融機関」「金融商品名」を書いて残高を書き出し、全部の合計を出していきます。
各貯蓄の小計をプラスして「貯蓄合計」と「貯蓄増減」を記入し、負債は、「住宅ローン」と「その他のローン」にわけ、それぞれの残高を書き込みます。
●預金
一般の銀行やネット銀行などの預金、財形貯蓄もここ。独身時代の貯蓄など、自分のためのへそくりはムリに書かなくてもかまいません。
・銀行
銀行の欄には金融機関と支店を書き、普通預金と定期預金を記入。普通預金も書くことで、放置している口座が把握できます。複数ある定期は合計額で。
●保険
かけ捨てなどではなく貯蓄性のある保険だけ記入します。その時点で解約するともらえる解約返戻金額を書くのが理想ですが、めんどうなら支払った保険料の総額でOK。解約返戻金は保険会社で確認可能。
・学資保険
学資保険や個人年金保険、養老保険など貯蓄目的の保険は、支払った保険料の合計を記入。毎月の保険料がそのまま貯蓄額だと思って大丈夫。
・医療保険
生存給付金や満期金が出たり、支払った保険料が将来戻る医療保険。保険証券に、保険料に含まれる貯蓄分が書いてあればその合計、書いていなければ保険料の合計を記入します。
・終身保険
解約すると返戻金が出る終身保険で、代表例は低解約返戻金型終身保険。解約返戻金がわからない場合は、支払った保険料の合計を記入します。
●その他
株や投資信託、国債、外貨預金などの投資商品は、記入日の時価。1つの証券会社で複数の商品に投資している場合も、全部の合計額で大丈夫です。
・確定拠出年金
確定拠出年金は、ここに記入。残高は、運用先の金融機関のサイトで確認できるほか、金融機関によっては定期的に報告書が届きます。
●貯蓄増減<POINT!>
貯蓄合計を出したら、前回より増えているか、減っているかをチェック。貯蓄の増減は、家計の健全度のバロメーター。このチェックが貯金簿の最大の役割です。
●住宅ローン残高
住宅ローンの残高を書きます。残高は、金融機関から送られてくる返済表で確認できます。繰り上げ返済した場合は、返済後の残高を記入。
●その他のローン残高
クルマのローンやクレジットカードのリボ払い、奨学金など。1つずつきちんと認識するために、それぞれ欄をつくって残高を書いてください。
●ひと言メモ
半年ごとに貯蓄の変動や家計で大きく変化したことをメモしておくことで、貯蓄を増やすための指針になります。住宅ローンの繰り上げ返済や大きな買い物などを書きとめます。
ESSE7月号では、畠中さんの提唱する貯金簿をさらに詳しく解説しています。「お金が貯まらない…」と悩んでいる人はぜひ、参考にしてみてください。