家で食事をつくる回数が増え、減らない食費に悩んでいる人も多いのでは?
「大幅カットは難しくても『あと1万円』ならほんの少し工夫するだけでできます」と語るのはマネーコンサルタントの市居愛さん。「うちは食費がかかりすぎてるかも?」というお宅こそ見直せる余地=“減り代(しろ)”大なのだそう。
そこで、悩める読者のお宅をプロの目で見直し!食費カットの余地を探ってみました。
3人暮らしで食費8万円!食材ロスをなんとかしたい…
すべての画像を見る(全9枚)「余った食材を捨てることが多くて…食費以上に食材ロスを改善したいです」と話すのは、Hさん(仮名・東京都・31歳)。夫と1歳の長男の3人暮らしで、毎月の外食費が2万円、食費は8万円。
週3~5回、献立を決めずに買い物に行き、食べたいものや「おトク!」と感じたものを購入しているというHさん。
「たとえばキャベツって、1/2個より1個の方が割安ですよね。そう思って大物野菜を丸ごと買っちゃうのですが使いきれなくて…」
さらに食材にもこだわりが。「肉は国産がいいので買うのは銘柄肉。野菜も“オーガニック”とあると、手に取りがち。そのせいか、いつも『思ったより高かった』と反省することが多いです」
市居さんは買いすぎの原因を、中身の見渡せない冷蔵庫にあると診断。さっそく見直しスタート!
冷蔵庫のムダを見直せば、食費ダウンがラクにかなう
レシピを見ずに料理するのが苦手で、半端に余ったものを使いきれず結局、捨てることになったり、賞味期限ぎれの食材が続出…。
「冷蔵庫にとりあえずしまうのは食費が膨らむ原因。一気に処分し、食材の配置を決めましょう」。やるべき3つのポイントを紹介します。
●POINT1:捨てる
<賞味期限の過ぎたものや傷んだものはすべて取り出す>
1.たまにしか使わないもの
2.もらいもの
3.観光地で買ったもの
4.まとめ買いして食べなかったもの
冷蔵庫の中身を1つずつチェックして、賞味期限ぎれの調味料、傷んだ野菜、いつ買ったかわからないものなど処分するものを出します。
なぜ食べきれなかったのかを知って同じ失敗を回避。Hさんは、観光地やコストコなどで勢いのまま買ったものを残しがちな傾向に。
●POINT2:食べきる
<今ある食材だけで3日間やりくりする>
3日間で冷蔵庫内を一掃。「食材でネット検索してレシピを探したり、余り食材をあんかけやスープにしたり…ゲーム感覚で楽しんで」
<冷凍室の中のものや使いかけ食材はすぐ使う場所に移す>
冷凍室の肉は1、2日で食べる量をチルド室に移して解凍。「これですぐ食べられるようになります」
使いかけの野菜は目につく上段に。
●POINT3:整える
<配置を決めて使い忘れ防止に!>
なんとなく入れると、どこになにがあるかわからなくなります。「棚ごとに置くものをざっくり決めるだけでも使い忘れが防げます」
【冷蔵室】
<Before>
中身は見渡せるものの、ものの定位置が決まっていなくて雑然とした印象でした。
<After>
1.お酒
2.朝食セット(和)
3.朝食セット(洋)
4.使いかけのもの
使いかけはドアを開けたときパッと目につく位置に。毎日使うジャムやご飯のお供は「朝食セット」としてまとめておくと管理がラクで、家族にもわかりやすくなります。
「カレーなど残り物が鍋ごと入るようスペースは広めにあけて」
【冷凍室】
<Before>
ぎっしりパンパンに詰まった冷凍庫は、食材が埋もれがち…。
<After>
1.使いかけのもの
2.主食類
3.肉や魚
4.そのほか
「主食類」と「使いかけのもの」を上段に置き、在庫を見やすく整理。「下段はブックエンドで立て収納するとサッと出せます」
見渡せない奥まで食材があふれないよう、いっぱいまで水を入れていないペットボトルでガード。
どんなにおトクに買い物しても、食材をムダにしてしまっては意味がありません。どこに何があるかが見やすい冷蔵庫に整えて、まずはムダをカット。食費を減らせば、たとえ収入が増えなくても余裕が生まれて、使えるお金がアップします!