50歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した5歳の長男・うーちゃん、里子の2歳の長女・ぽんこちゃんという家族5人で暮らしています。
今回は、うーちゃんの寝起きとdボタンのお話です。

寝起きが最悪のうーちゃん。しかし、とあるきっかけのおかげで劇的に変わりました!

5才の養子の男の子のうーちゃんは、おばあちゃんと隣の棟で寝ています。おばあちゃんは甘いので、夜無理矢理早く寝かされることなく、22時台のドラマなども見ていて、早寝早起きがまったく身に着かず非常に困っています。

そのせいで朝のうーちゃんは最悪です。7時半に隣の塔に迎えに行って無理矢理抱っこで連れてきていましたが、重くなって腰痛が発生したため、おんぶにしました。

「にいにいだー」
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自宅は2階で、階段を上ってリビングを通り抜けてトイレに直行して便座に座らせます。2才の里子のぽんこちゃんが先回りして、便器のフタをあけてくれます。その間、うーちゃんはずっと目を閉じたまま、まるで死体のようです。

おしっこが終わると、再び抱きかかえてリビングに行きます。床に下ろすとぐったりと体を横たえるので、無理矢理起こして服を着せます。

しかしこれはまだ状態のいい朝で、面倒ではありますが滞りなく物事が運べます。

悪い朝は「目があかない!」「声が出ない」「僕は保育園に行きたくないんだ」「なんにも食べたくない。いつもがんばって無理矢理食べているんだ」などとわめき、ひどいときはテレビのリモコンを投げるなどものに当たります。

「ぼくのおもちゃだよ」

ぽんこちゃんがお兄ちゃんのオモチャで遊んでいたらさらに最悪で、無理矢理奪い、ぽんこちゃんが泣いてお兄ちゃんを叩き、お兄ちゃんが叩き返し、さらにぽんこちゃんが泣くという修羅場が発生します。

●dボタンに気づき、起きられるようになったうーちゃん

そんな朝の気が重い時間が劇的に変わりました。うーちゃんがテレビのリモコンのdボタンに興味を持ったことによります。
夕方のEテレではdボタンでゲームに参加できるなどの機能があります。それを楽しんでいましたが、朝のワイドショーでもそのサービスがあることに気づいたのです。

6時台からやっている『グッド・モーニング』では6時50分過ぎに「ことば検定」、7時30分過ぎに「お天気検定」、7時50分過ぎに「ニュース検定」の3つのクイズがあり、正解すると3点、不正解でも1点のポイントがもらえます。3択のクイズで、毎月ポイントは積算されて、30点、60点、120点でそれぞれ商品に応募ができます。

「さっきは何色だった?」

うーちゃんはクイズが大好きなのです。6時50分のクイズは僕がぽんこちゃんに早く起こされた朝にしかできないですが、残りの2つには「うーちゃん、お天気検定がもうすぐ始まるよ」と言って起こすと、無理矢理腕をつかんで引き起こさなくても自力で僕の背中に乗っかってくれます。

●クイズで景品がほしい!うーちゃんが導き出した傾向と対策とは

最初はクイズをやったりやらなかったりだったので、30点なんて見果てぬ夢だと思っていたのが5月は140点まで貯まりました。今月は60点でミキサーの抽選に応募できて、120点ではHDDレコーダーでどちらも魅力的なので、気合が入ります。
ところが今月は正解率が悪くて、まだ11日の時点で、もう41点という非常に微妙な獲得ポイントです。

リモコンを持つ子ども

うーちゃんは、クイズを出目で予想します。

「ことば検定は何色だった?」

3択のA、B、Cはそれぞれ色分けされていて、Aは青、Bは赤、Cは緑です。

「さっきは赤だったよ」

「今度のは青じゃない?」

といった具合に傾向で対策を導きますが、あまり当たっていないようです。ママがいるとすぐにスマホで検索してくれます。

答えがBのときはぽんこちゃんが「やったー、ピンクだ、ぽんこちゃんはピンクがすきー」と毎回言います。

【古泉智浩さん】

漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『

うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門

』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『

うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました

』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(

@koizumi69

)をチェック!