新年度がスタートし、区切りとなる春は片づけに絶好のタイミング。暖かい気候を味方につけて、家の収納をリセットしましょう!
片づけの悩みでよく聞かれるのが、「いちど片づけても、すぐに散らかって逆戻りしてしまう」というもの。そんな「片づけリバウンド」を防止する収納術を整理収納アドバイザーの七尾亜紀子さんに教わりました。
「場当たり的な片づけ」が、リバウンドを生んでいる!習慣の見直しを
七尾さんによると、リバウンドの原因は「考えずにものをしまっていること」にあるといいます。使いやすさやルールを考えずに場当たり的にものをしまうと、一見、片づいたようには見えますがすぐ崩壊してしまいます。増えすぎないために習慣を見直すことも大事です。
「リバウンドを重ねて『私には片づけは無理』と諦める前に、ありがちな行動や考え方のクセと、解決法をチェックしましょう!」
●【NG】一時置きが「一時」ではなく「永久」になっている
すべての画像を見る(全19枚)「あとで片づけよう」と、「一時的」にしまったつもりが、気がつけば「永久」に放置…なんてことも。しまいっぱなしで二度と見返さないものが家じゅうにありませんか?
「ルールを決めず、とりあえずしまう『なんでもボックス』が家のあちこちにないかチェックを」
七尾さんも、以前は書類はなんでもここに入れたままだったそう。増えすぎて、大事な書類が探せなかったことも…。
【これで解決!】ものの捨てる&しまうのルールを決める
「要・不要の判断を先延ばしにすると、一時置きのものが際限なく増えることに。ルールを決めておけば判断に迷いません」
七尾さんの場合は、たまりがちだった書類はルール化を徹底。受け取ったときに内容をチェックし、不要なものはその場で処分。保存が必要なものは家族ごとに分けたファイルにしまってあふれないよう、定期的に見直す習慣にしています。
ファイルは、自分、夫、子どもの3つ。
「書類を探したり、なくしてあわてたりすることがなくなりました」
●【NG】日用品をしまうところがなく、床置きしている
「片づけられない人は特売に弱いのも特徴」と七尾さんが語るとおり、安いからと大量買いした日用品が床に放置されているのも、あるある。
「放置されたものが目に入る場所にあるとさらなる散らかりを招いてしまいます」
【これで解決!】ストックは上限としまう場所を決めておく
消耗品は収納スペースを限定すると、自然ともつ量が抑えられます。
「たとえばティッシュはこのファイルボックスに入るだけと決めているので、それ以上増えることはありません」
ストックの置き場所を決めるのも忘れずに。置き場所があいまいだと、「ないと思って買ったら、まだあった」と上限オーバーの原因に。
「シャンプーなどのストックは、ファイルボックスに入る分だけ」ルール化して増えすぎ防止。
●【NG】間に合わせで収納グッズを置く
思いつきで収納グッズを買うのも失敗のもと。
「棚と脚つきラックのサイズが合わず、しまったものが斜めに。脚がじゃまであいたスペースも使いにくくて。かわいくて買った上の棚のカゴも2個しか入らず、空間のムダ使いになっていました」
【これで解決!】サイズを合わせて収納力アップ
「家のどんな場所でも収納グッズを衝動買いするのはNG。しまうものと収納スペースのサイズを測ってから買うのがマストです」と七尾さん。サイズを測れば、写真のように棚板の幅に合わせて収納カゴをジャストサイズで置けます。ラックは上も下もムダなくものが置けて収納量が倍増!
●【NG】テーマを決めずになんでもしまう
納戸や押し入れなど広いスペースだと、適当にものを置きがち。
「わが家でも、収納庫に適当にしまううち、どこになにがあるかわからなくなって…。とくに奥のものが死蔵品に」
・季節の飾り、洗濯機用ホース、あき箱
・バスマット、キッチンマット、エコバッグ、雑貨、スマホのあき箱
・ホットプレート、毛玉取り
・防災袋、箱、iPadのあき箱
・ミシン、アイロン、夫の趣味のもの
【これで解決!】スペースごとにしまうもののテーマを決める
棚の段ごとにテーマを決めて、どこになにがあるかすぐわかる収納に。
「手の届きにくい上段には季節用品や布団の替え、下段には防災グッズを置き、取り出しやすくしました。また、しまうものに合わせて収納グッズを換えて、ムダなあきもつくらないように」
広いスペースはまずゾーン分けを徹底することでリバウンドを予防!
・季節の飾り、サイズの大きな消耗品のストック
・かけ布団
・エコバッグ、紙袋、布類
・ホットプレート
・リュックやランタンなど防災用品
・防災用の備蓄
奥行きがある場合は手前と奥に分けて収納。手前によく使うものを、奥は使用頻度の低いものを置くと必要なものがすぐ取れます。
<BEFORE>以前はリビングのキャビネットがあふれた状態に。
<AFTER>「奥にしまった書類の手前に本や雑多なものが積み上がり、取り出せませんでした。重ねていたものをファイルボックスに立ててしまうことで解決!」
●【NG】「みんなが使ってる」収納グッズに手を出す
「インスタグラムなどでよく見る収納グッズでも、用途によっては使い勝手が悪い場合も」
収納力に対してフタが小さかったり、出し入れのアクションが多かったり、見た目ではわからない注意点も!
【これで解決!】環境が変わっても使い回しできる収納グッズが正解
「以前は、電車のオモチャはフタつきのケースに入れて重ねて収納していました。でも量が増えたらフタがしまりにくくなって、子どもが片づけられなくなってしまったんです」。
そこで、大きめの布製バッグにポイポイ投げ込む収納に。
「これなら子どもでも簡単なうえ、ある程度大きなものでも収納できるので、オモチャ用に使わなくなってもほかの用途に活用できます」
●【NG】服はすべてかけてしまう
以前は大量の服をハンガーにかけていましたが、ずり落ちたものが衣装ケースの奥に積み重なっていることも多々。毎朝の支度のテンションも下がっていたそう。
【これで解決!】今着る服だけをかけて使いやすく
そこで、手元におく服を厳選。シーズンごとに着る頻度の多いものだけを残し、新しい服を買いたすときは、出番の少ないものから優先的に手放すルールで服の数を増やしません。
「今着ている服だけがハンガーにかかっているので、着たい服を探してクローゼットの中がぐちゃぐちゃになることがなくなりました」
●【NG】今ある収納にこだわる
手もちの靴が入りきらなかったので、重ねて収納できるグッズを採用。
「収納量は増えたんですが、重なっていて、棚に隙間なく並んで出し入れがしにくくて…」
その場しのぎの収納は根本的な解決にはなりませんでした。
【これで解決!】思い込みを捨てて収納力アップ
「つくりつけのシューズクローゼットは変えられない」と思い込んでいたのが、棚板を外せることを発見。もともとあった棚板を外して、カットした板をセット。前よりも棚板の間隔を狭くして、棚板の枚数を増やすことで、横並びにしても全部の靴が収まるように。
「今ある収納にこだわらず、使いにくさの原因を解決することが大事ですね」