日々胸が垂れ、老眼が進み、“おばさん”になったって毎日は楽しい…! 48歳のシングルマザー・まめさんの漫画が「元気になる」「クスッと笑える」と人気です。
夜中にフルーツみつ豆を床にぶちまけてしまったり、職場のおばさんの笑いが止まらなくなって入れ歯が飛び出してしまったり…。悲しくも笑える漫画を描いているまめさんに、毎日を楽しく過ごすための秘訣を伺いました。
職場はおばさんだらけ!自分もおばさんだった!笑撃の「おばさん漫画」が生まれた背景は?
「おばさんデイズ」作者のまめさんに、家族や仕事、そして老いについてインタビュー。描き下ろし漫画も描いていただきました!
●いつの間にかおばさんになっていた
――まめさんの漫画を見ていると、日々の家事やお仕事にも小さな楽しみを見つけておもしろく生きているように見えます。何気ない毎日を楽しく生きるコツを教えてください。ありがとうございます! そんなふうに見えているならすごくうれしいんですけど、じつはさほど意識はしてないんです。
家の中も息子の友達が来たときは少し賑やかになりますが、普段はそんなに騒がしくないです。
とくにコツみたいなものはないのですが、たまに息子がなにかおもしろいことを言ったときに絶対に笑わない、というのを娘とやったりしています。
笑わせようとする人と絶対笑わない人たちの静かな戦いみたいなものです。
息子けっこうしつこくがんばる。でもこっちも耐える。みたいなことです。
ちょっとねじ曲がったコミュニケーションのとり方です。でもお互い機嫌がいいときの話です。
――老眼やタレ胸、物忘れなども笑いに変えておばさんであることを前向きに楽しんでいらっしゃいます。それが無理していないので読んでいて笑ってしまうのですが、どうやって老いを自然に受け入れられたのでしょう?今48歳なんですけどね。ほんとにおばさんの年齢だなって思うんですけど、正直いつの間にかなっていた感じなんです。
すぐ眠くなるし、いろいろと忘れます。
あとカタカナや英語が私の中のどこかで勝手に変換されておかしな言葉で入ってくるの、ほんとになんとかしてほしいです。
そして最近、この年齢になっていちばんびっくりしたことが。
普段背中を鏡で見る習慣がないので気がつきませんでしたけど、数年ぶりに見たらこれです。
たしかに昔より8キロくらいは太っているんですけど、ただ太っただけではない。
肩こりなどいろんな要素により、とても力強くおばさん特有の丸さをつくり出していました。細く映る鏡がまったく機能していませんでした。
老眼に関しては眼鏡かコンタクトをしているのでなんとか助かってます。
●シングルマザーとして考える子どものこと、家事のこと、仕事のこと
――お子さんが3人いるシングルマザーとして、家事もお仕事も大変だと思いますが、独身のときやご結婚されていたときもずっと働いていたのでしょうか。もしご家族で家事の分担や役割などあれば教えてください。独身のときも結婚してたときも離婚してからもずっと働いていました。
今、家での家事の分担などはなく、私が言うとやってくれる感じです。
ですが中1の娘が最近家事に興味を持ってくれてご飯をつくってくれます。おいしいしすごく助かります。
なので、娘のことはたまに“お母さん”って呼んでます。
シングルマザーで大変とかは全然ないんです。 多分結婚に向いてない人間なので、結婚してる方が大変です。
帰ってきた二男がまさかの一言!
テンパってました…。
続いて、まめさんのお仕事遍歴や、職場で楽しく過ごすためのコミュニケーション術について、爆笑おばさん漫画とともにご紹介します。
――漫画には配達やお花屋さん、工場などさまざまなお仕事のエピソードが登場します。各職場でおもしろエピソードがあり、漫画のネタになっていますが、好きなお仕事やつらかったお仕事、その理由を教えてください。働いてみて意外と楽しかったというか好きになった仕事は、お弁当工場の流れ作業です。
長時間同じことの繰り返しですが、手が慣れてくると頭の中でこっそりとアイドルのコンサートの映像を再生してペンライトを持って参戦していました。
でもある日パートの先輩に「たまにどこか行ってる?」と言われたときは「まずい。顔に出たかな」とちょっと慌てたりしましたが、それもいい思い出です。
仕事が好きというか、コンサートが好きという話になってしまったかも知れません。すいません。
逆に一番つらかった大変だったなと思った仕事は、花屋さんです。
その時期なぜだか急に花に対しての思いが溢れ出して、時給が安くてもいいからとにかく働かせてください! くらいの勢いで働き始めたんですけど、自分でもびっくりしましたけど、まったくセンスがありませんでした。
私花が好きなので! とか言いながら動きも軽やかに張りきって働いていたのを思い出すと、なんかおもしろいです。
実家の母が花好きなので、自分も花が好きだと勘違いしたのかもしれません。だから母が悪いのかなと思います。
●まめさん流の、職場で楽しく過ごすためのコミュニケーションって?
――職場のおばさんたちや元カレ、ご家族や親戚など、周りにおもしろい方が多いですね。また趣味のお友達も多く、まめさんが周りに愛される人なんだなと思います。人づき合いで気をつけていることや、職場に溶け込むコツを教えてください。友達はあまり多くない方です。
新しい職場に入った場合、その場に溶け込むのに作戦みたいなものを考えたことはないんですが、あまり人見知りはしない方だと思うので、相手の方が嫌がってなさそうならなんかしら話しかけてるように思います。
今考えると「趣味はなんですか?」なんて質問はだれにもされた記憶がありませんので、「えーと私あれが好きでして」って勝手にしゃべり始めているんだと思います。
相手の方はたいそう迷惑ですね(笑)。
でもそのなかで、じつは私も同じもの好きって方がいるとこちらはもう勝手に心開いちゃうので、そこから仲よくなったりします。
もちろん趣味が違っても気が合うなと思ったら仲よくなります。
一時期、「私けっこう人見知りなんです」とよく言っていたことがあったんですけど、嘘だったみたいです。
――子育てや家事の分担、仕事復帰などで悩んでいる読者に、元気の出るようなメッセージをぜひお願いいたします!こんにちは。初めましてまめと申します。
毎日、家事やお仕事頑張ってらっしゃる皆さま、お子さんがいる方は日々の子育てを、本当にお疲れ様です。
いろいろあってもほんの数分でも漫画を読んで笑って頂けるとうれしいです。
インタビュー読んでくださりありがとうございました。
まめさんの“おばさん”ならではの笑いと悲哀に満ちた日々を漫画にまとめた『
おばさんデイズ』(扶桑社刊)には、さらに笑える漫画が満載。おばさんも、そうでない人もぜひチェックしてみてください!
【まめさん】
Webを中心にさまざまな漫画を描く40代のシングルマザー。Webサイト「cakes」で連載中の「おばさんデイズ」は同サイトアクセス数No.1を誇る。ブログ「凡人すたいる。」にて日々の出来事や妄想を随時更新している。「めちゃマガ」で「脳内めもり~ず」を連載中。著書に「
凡人すたいる。大盛り詰め合わせ」(KADOKAWA刊)
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