アメリカでは健康志向の高まりなどを受け、フェイクミートなどと呼ばれる植物由来の代替肉が注目を集めています。

大手企業も続々と参入しており、米国バーガーキングは、8月より「植物肉バーガー「Impossible Whopper(インポッシブル・ワッパー)」の全米展開を開始。
「本物の肉の風味と変わらない」という噂の真偽を確かめるべく、アメリカ在住のライターが実際に食べてみました。

インポッシブル・ワッパー
全米で話題!バーガーキングのインポッシブルバーガーって?
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全米で話題!バーガーキングの植物肉バーガーを食べてみた

●インポッシブル・フーズの植物肉って?

バーガーキングが、シリコンバレー発の企業インポッシブル・フーズと共同開発した植物肉バーガー「インポッシブル・ワッパー」。

植物肉とは、すべて植物由来の成分でつくった人工肉のこと。インポッシブル・フーズ社の植物肉は、大豆タンパク・ココナッツオイル・ヘム等の植物原料でできています。この大豆からつくられる「ヘム」は、生物に必ず含まれる分子で、他社とは異なる「肉らしい」味に欠かせない成分だそう。

●植物肉はエコ&ヘルシー!

植物肉はエコ&ヘルシー!

同社は畜産農業が環境問題の原因だと考え、食肉生産を植物肉に置き換えることを目標としています。今回、全米規模の低価格帯チェーンで植物肉製品を展開することにより、あらゆる人の手に届きやすくし、より広く定着させるのも目的としています。

同量の牛肉よりも植物肉の方がタンパク質が豊富で脂質が低くヘルシーだとしており、インポッシブル・ワッパーも、従来品と比べ、脂肪分15%オフ&コレステロール90%オフ。

ヴィーガンやベジタリアン向けには留まらず、「環境&健康意識が高い牛肉好き」をターゲットとしています。

●話題のバーガーキングで実食!

話題のバーガーキングで実食!

左が牛肉のワッパー、右がインポッシブル・ワッパー。

具はパティ以外すべて同じで、価格は後者が1ドル高い設定(5.59ドル/2019年9月現在)。

見た目は後者の方が綺麗な円形です。加熱時の縮みが少ないように開発されたのだそう。

いざ、食べ比べ!

食べ比べ

比べると確かに味は違います。

インポッシブル・バーガーは、日本人になじみ深い、豆腐ハンバーグやがんもどきに似た風味が。ヘム由来の肉の香りはしますが、後味はスッキリ。牛脂の後に残る感じはありません。

ただ、噛んだときのジューシーさや歯ごたえにより「肉を食べている感覚」を味わえます。

この差は、「牛肉ではない」という先入観によるもので、単品で牛肉バーガーとして出されたらわからないくらい、インポッシブル・ワッパーには「肉らしさ」がありました。

牛肉と遜色ない風味で環境と健康にもいいなら、インポッシブル・ワッパーを選びたいと思える味でした。

●日本でも受け入れやすそうな植物肉

日本では豆腐ハンバーグなどがすでにあり、植物肉が受け入れやすい土壌ではないでしょうか。
日本のファストフードチェーンでも代替肉が展開される日が待ち遠しいですね!

<撮影・取材・文/オノエリカ>