人間以上に複雑で不思議な、動物たちの子育て。
NHKの番組「ダーウィンが来た!」の名物アニメ「マヌ~ルのゆうべ」でも、動物たちの珍しい生態が明らかに。ここではその一部を漫画でご紹介します。
子連れで縄張りバトル! お母さんたちがやけに怖い「ワオキツネザル」
「マヌ~ルのゆうべ」では、“マヌ子ママ”のスナックに、夜な夜な動物たちが集まって、悩みを相談したり愚痴ったりしています。
さて今夜はどんな動物が登場するのでしょうか。
上のマンガに出てくる「ワオキツネザル」って知っていますか?
マダガスカル島に生息するキツネザル科の動物ですが、お母さんがめっぽう強くて、お父さんの存在感がまったくありません!
●赤ちゃんを背負いながら縄張り争いをくり広げるメスたち…
「集団生活のなかで、縄張りを守るのも、争うのもメスでね、子育てしながらガンガン戦うというんだから、恐れ入っちゃう」とマヌ子ママ。
「その間、オスはなにをしているのかって? それが、適当に縄張りを出たり入ったりしているだけらしいわ。まったく、しようがないわね」
●血縁関係の遠いメスから追い出されるという過酷さ
「ワオキツネザルの群れにはちょっとした“オキテ”があってね。群れにいるメスが7〜8匹に増えると、血縁関係の遠い子から追い出されるんだって。一応、ちゃんとした理由はあってね。群れのメンバーが多すぎると、食べものをめぐる争いが起きる心配があるし、赤ちゃんを確実に育てるにはその方がいいらしいけど。それにしても血も涙もないわよねぇ」
【動物DATA】
・動物名:ワオキツネザル(キツネザル科)
・生息地:マダガスカル島
・体 長:40cmほど
恋多き妻に捨てられて…イクメンの代表の鳥、「タマシギ」
続いては、恋多きお母さんに置いて行かれて、お父さんだけで子育てをする「タマシギ」。
●メスが生んだ卵を温め、ヒナを育てるけなげなオス
「タマシギのオスってホントけなげでね。一生懸命巣をつくって、卵を温め、ヒナを育て…。まぁ、鳥界の“イクメン”代表みたいなもんね」
●卵を生んだメスは…なんとほかのオスを逆ナンしに行ってしまう!
「その間、メスはなにしてんの? って不思議に思うじゃない。衝撃の事実がわかったわよ。タマシギのメスはね、まずは求愛ダンスでオスをひきつけるの。鳥って大抵、オスがメスにアピールするんだけど、タマシギは男女が逆なのね。で、巣づくりは全然手伝わないうえ、巣ができ上がったら卵を産んでさっさと出ていっちゃう。そう、新たなオスを探しにいくのよ。自由すぎ!」
【動物DATA】
・動物名:タマシギ(タマシギ科)
・生息地:日本、東南アジア、中国などの水田や湿地帯
・体長:23~28cmほど
マヌ子ママは、“マヌルネコ”という珍しい種類のネコ。アニメでその声を担当しているのは、なんと山田孝之さん!
もっと「マヌ~ルのゆうべ」について知りたい方は、書籍
『「ダーウィンが来た!」のオモシロ動物大集合! マヌ子ママのいきもの語り』(扶桑社刊)をチェックしてみてください。漫画と読み物で、「ダーウィンが来た!」に登場したおもしろ動物たちを楽しくご紹介。子どもも大人も、動物への興味が深まる1冊です。