幸栄です。パン教室「toiro(トイロ)」を主宰しています。初めてパンを焼いたのは、長女の出産から1か月後のこと。あの日から試行錯誤を重ね、今は卵とバターを使わないパンのレシピをつくっています。パンを焼きながら、2人の娘の母としても、楽しみや大変さをたくさん感じる日々。毎日のなかで見つける、ささやかな幸せや楽しみをつづっていこうと思います。
子どもにとっては市販品がごちそうになることも。親も上手に手を抜こう
スーパーマーケットへ行くと、忙しいときのお弁当づくりに使える便利な食品がたくさん。「正直助かるなぁ」と思います。
でも、市販品で簡単にすませる=手を抜いていると、罪悪感を感じている方も少なくないのではないでしょうか。
でも、自分の幼い頃や、学生時代思い出すと…。
おこづかいをもらって駄菓子屋さんへ行くことにとてもわくわくしたり、ハンバーガーやポテトが無性に食べたかったり。多くの方が、そういう時期を経てきたと思うんです。
●市販のパンはカットするだけでかわいいおやつに!
たとえば、うちの娘たちも、市販のパンを食べたがるときがあります。
もちろん手づくりのパンを食べさせたい、という気持ちもありますが、頭ごなしに「ダメ!」というのも違う気がしていて。
私の焼くパンや食事がベースであっても、ときどき市販のものを食べたくなる。その気持ちもすごくわかるんです。
なので、わが家ではこうやって市販品のパンを、食卓に出すことも。
袋のままぽんと渡すのではなくて、食べやすくカットして、お皿に盛るとかわいい! こんなちょっとの工夫でも、十分に気持ちが伝わると思います。
●市販品の肉団子もひと手間で、ボリューム弁当に!
毎日のように続くお弁当だって、ときには市販品を活用。
いつもいつも手づくりのおかずをつめるのは大変ですし、疲れてきたら、そんな日は手を抜いてもいいと思うのです。大切なのは、ちょっとだけひと手間加えること。
この日使ったのは、市販品の肉団子。ただ温めてつめるのではなく、ピーマンやタマネギ、ニンジンなどと一緒にゴマ油で炒めるだけで、子どもたちにとっては十分「お母さんのおいしいお弁当」になるのです。
「私って怠けてるなぁ、きちんとしなくちゃ…」なんて気持ちも、たまにはちょっと横に置いて、自分を休ませてあげましょう。そんな日があっても、いいと思いますよ。
【幸栄(ゆきえ)】1979年広島県生まれ。「はな」と「ひな」2人の娘をもつ。モデルとして活躍したのち、長女の出産を機にパンづくりに出合う。ベッカライダブルハウスにて、製造補助をしながらパンについて学び、 2010年から卵とバターを使わないパン教室、「
toiro」を始める。著書に『
「ちょっとのイースト」で作る ベーグルとピザの本(生活シリーズ)』(主婦と生活社刊)、『
パウンド型で焼けるおいしい食パン』(家の光協会刊)、『
あかちゃん、こども、おとなのパン―はじめてのパンづくり』(アノニマスタジオ刊)などがある