幸栄です。パン教室「toiro(トイロ)」を主宰しています。初めてパンを焼いたのは、長女の出産から1か月後のこと。あの日から試行錯誤を重ね、今は卵とバターを使わないパンのレシピをつくっています。パンを焼きながら、2人の娘の母としても、楽しみや大変さをたくさん感じる日々。毎日のなかで見つける、ささやかな幸せや楽しみをつづっていこうと思います。


<幸栄のゆらゆらと、つらつらと。日々のささやかな幸せをパンと一緒に。>
すべての画像を見る(全4枚)

吹く風に、秋の訪れを感じるようになりました。そして、お店に並ぶお菓子たちも「栗」「サツマイモ」など、秋を感じる味わいがたくさん。
今日は最近、私がおいしくいただいた秋のお菓子を2つ、ご紹介しますね。

石川県・山中石川屋のくず菓子「金時草」

金時草

こちらは石川県にある老舗和菓子屋さん

「山中石川屋」

のくず菓子。秋限定で加賀野菜の金時草(きんじそう)を使ったお味が楽しめます。

金時草は6月中旬から10月頃にかけてとれる、葉の表が濃い緑色、裏が赤紫色したキク科の葉物。ゆでるとぬめりが出て、ワカメに似た食感なんだとか。
このお菓子を食べて初めて知りました。皆さまご存知でしたか?

紫色したくずもち

紫色のくずもちの中に、同じく紫色のあんが包まれています。くずもちのなんとも言えない食感も大好きなうえ、こしあんの舌触りも大好きで。この2つが組み合わさったら…幸せになるに決まってますよね!

涼しい日も増えてきたので、そろそろ温かい緑茶などと一緒にいただきたいですね。お菓子を通じてその土地の野菜を知る、というのもいいなぁと感じました。

愛媛県の銘菓「母恵夢」の秋栗味

母恵夢

そしてこちらは、愛媛生まれのお菓子

「母恵夢(ぽえむ)」

のミニサイズ「ベビー母恵夢」の秋栗味。私が育った広島でもよく見かけていて、懐かしいお菓子のひとつです。

食感はおまんじゅうのようなのですが、バターの香りがふわっとするので、洋菓子のようでもあり。
あんのほろほろ加減と、皮の厚さがなんとも不思議なおいしさ。皮の香ばしさや薄いけれどしっかりとした食感が大好きです。

「ひよこ饅頭」に似ているようだけれど、やっぱり違うんですよね。こういう違いを見つけるのも、お菓子の楽しみのひとつでしょうか。

秋栗味

この季節だけ味わえる「秋栗味」は、栗風味の薄皮の中に、洋栗ペーストをたっぷり使った黄味あんが入っています。

じつはこのお菓子たち、近所のスーパーマーケットで見つたもの。パンや和菓子売り場で発見しました。

旅行やお取り寄せをしなくても、身近な場所でなにげなく売られているんですね。

皆さんもいつもは素通りするコーナーをチェックすると、おいしいお菓子に出合えるかもしれませんよ!

【幸栄(ゆきえ)】

1979年広島県生まれ。「はな」と「ひな」2人の娘をもつ。モデルとして活躍したのち、長女の出産を機にパンづくりに出合う。ベッカライダブルハウスにて、製造補助をしながらパンについて学び、2010年から卵とバターを使わないパン教室、「

toiro

」を始める。著書に『

「ちょっとのイースト」で作る ベーグルとピザの本(生活シリーズ)

』(主婦と生活社刊)、『

パウンド型で焼けるおいしい食パン

』(家の光協会刊)、『

あかちゃん、こども、おとなのパン―はじめてのパンづくり

』(アノニマスタジオ刊)などがある