ちょっとしたひと言を伝えるのに便利な一筆箋が人気です。とはいえ、書き慣れないと、なにをどう書いたらいいか悩んでしまうもの。

心が伝わる上手な一筆箋の使い方を、手紙文化振興協会・代表理事のむらかみかずこさんに教えてもらいました。

メールやSNSの時代だからこそ!一筆箋で気持ちを伝えてみよう

一筆箋
ちょっとしたひと言を伝える一筆箋。書くときのコツは?

「いまはメールやチャット、SNSなどで当たり前にコミュニケーションをとる時代ですが、デジタルは便利で手軽な半面、人肌感覚が感じられないデメリットも。手書き文字にはぬくもりがあるので、デジタル漬けの毎日だからこそ手間をかけてもらったという価値が感じられて、感謝も生まれます。そうした面が見直されているのではないでしょうか」
一筆箋の人気ぶりをそう分析するむらかみさん。

手紙ほど重くなく、メモ紙より礼儀正しいという、ほどよさも特長です。

「たとえば、なにかのお礼にお菓子を贈るとき。『先日のお礼に心ばかりの品を送ります。召し上がっていただけたらうれしく思います』と添えれば十分。義父母や親せき、知り合いなど幅広い相手に対応できます。ほんの数行なので気軽に書け、手紙ほど重すぎず、温かみが相手にちゃんと伝わるのが一筆箋のいいところ。気負わず自分らしく書いてみてください」

●読みやすく書くための3つのコツ

読みやすく書くのも相手への心配りです。コツは「文字を大きく書く」「太字のペンで書く」「青いインクで書く」の3つ。

「文字は大きい方が元気で美しく見えます。太字のペンなら自然と大きく書けますよね。青いインクは若々しく、明るくさわやかな印象に。さらに、余白をたっぷり取ると、バランスがよくなり見た目の印象がアップしますよ」

一筆箋に使う便箋は、縦書きでも横書きでも書きやすい方でOK。絵柄を選ぶときには、以下のポイントを気にしてみましょう。

・季節に合う絵柄
季節の花や風物詩(秋ならモミジやイチョウ、ブドウなど)で、さりげない季節感を演出できます。

・縁起物
四葉のクローバーや青い鳥、富士山など、いわゆるラッキーモチーフは、見ていて楽しくなります。

・趣味にちなんだもの
相手が猫好きなら猫、ピアノ好きなら音符など。「自分のことを思って書いてくれたんだ」という気持ちも伝わります。

道具にもこだわりたいもの。インクのにじみは味わいになるので、万年筆やペン、ゲルインクのボールペンをとり入れれば、書いていてテンションが上がりますよ。