梅雨の時期は、家事をするのも、お出かけするのもおっくうになりがち。でも、「雨の日こそ、子どもの写真を撮る絶好のタイミングなんですよ!」と話すのは、写真教室を主宰する西村りつ子さん。
雨を活かして、ぐっとすてきなキッズフォトが撮れる方法を教えてもらいました。
雨の日こそ外で撮影を!しっとりした世界観の写真が撮れる
すべての画像を見る(全9枚)雨の日の写真は、しっとりとした薄暗さが、独特の雰囲気を醸し出してくれます。
傘を持った子どものふとしたしぐさがかわいい瞬間をパチリ。水たまりに足元が写り込んだりして、なかなかおもしろい写真に。
こちらは、背景に写った雨の筋が印象的な1枚。シャッタースピードを遅くすると、こんな風に雨を筋のようにとらえることができます。
そのとき注意したいのは、被写体がブレないようにしっかりカメラを構えることと、被写体にも動きを止めてもらうことです。
先ほどと同じ手法で撮ったもの。手にはじける雨まで筋のようにきり取りました。
背景の色味が暗めになるような構図で撮ると、より雨の筋をはっきりと写すことができます。
●雨の日のポイント1:露出に注意する
雨で周りが薄暗いと、シャッタースピードが遅くなるので、露出(明るさ)の設定に注意しましょう。
少し暗めの設定にすると、雨の日の雰囲気も出るうえに、被写体もブレにくいのでおすすめです。
●雨の日のポイント2:撮りやすい場所を選ぶ
これまでに紹介した3枚の写真は、どれも屋根があるところから撮っています。
公園など屋根つきの休憩スペースがある場所を選ぶと、雨に濡れずに写真も撮りやすくなります。
あえて足元だけきり取ると雰囲気のある写真に
水たまりがあると入りたくなるのが、子どもの心情。
いつもだったら、「ダメよ」と言いたくなるところですが、写真を撮る日は自由にさせてあげましょう。その瞬間を、連写して撮影してみてください。
子どもの足の動きや、跳ねる水しぶきが躍動感となって、思わず「子どもらしいな」と微笑んでしまう、楽しい雰囲気の写真に仕上がります。
同じ足元写真でも、こちらは水たまりの中をそっと歩いているところ。
シャッタースピードを速く設定することで、水たまりの中の波紋まできり取ることができます。
この写真をモノクロに変えてみましょう。
ぐっと大人っぽい雰囲気になり、どこか哀愁漂う写真になりました。
個人的に、雨の写真はモノクロがよく似合うと感じます。
普段はモノクロで撮らない人も、雨の日はモノクロ写真を楽しんでみてはいかがでしょうか。
雨の撮影ではビニール傘も楽しい小道具に
100円ショップでも手に入るキッズサイズのビニール傘は、雨の日の撮影に使える小道具です。
傘越しに撮ると、傘についた水滴がまるで涙のように見えたり、アンニュイな雰囲気に撮れたり、にっこり笑顔の写真なら泣き笑いのような写真になったり…。いつものわが子とはちょっと違う写真が撮影できます。
傘越しに撮るときは、傘に光が反射しないように気をつけてください。
雨の日に、家でじっとしているなんてもったいない! カメラを片手に子どもと出かけて、いつもと違ったシャッターチャンスをとらえてみてください。