「オックスフォード式」や「一流を育てる」などとうたった教育本が書店に並び、大学入試改革も進むなか、偏差値だけではない頭のよさが求められています。

そんななか注目されているのは、東京大学の謎解き制作集団「AnotherVision」。クイズ番組「今夜はナゾトレ」で出題するクイズが、小学生をはじめ、その親世代にも大人気。発想力や頭のやわらかさを問う問題をつくっている彼らはどう育ったのか、家庭での勉強法から、受験当日の“勝負メシ”まで頭脳のモトを探りました。

AnotherVision
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左から、法学部3年のいぐいぐさん、理学部数学科4年のコプライムさん、工学部応用化学科4年の松丸亮吾さん、教養学部理科Ⅲ類2年のたうさん。

勉強は小さい頃からリビングで!教科書やノートも置きっぱなしがいいんです

家の中の勉強する場所は、全員が「子ども時代からずっとリビングで」。「疲れたらソファにもたれて休憩してリラックス。すぐに勉強に戻れるので」(コプライムさん)、「リビングならわざわざ部屋に行かず、気が向いたときに勉強できます」(たうさん)などのメリットが異口同音に。

子ども時代からずっとリビングで

自分の部屋に勉強机がある場合も、「勉強が終わったらゲームをしに行く場所。勉強が終わるまで、自分の部屋には入ってはいけないマイルールをつくっていました」(松丸さん)など、独自のルールも。

教科書などもリビングが定位置で、「しまい込むとやらないので、テーブルなどに置きっぱなし」(松丸さん)と、家族も容認だったそう。つい「片づけなさい!」と叱ってしまいがちですが、置きっぱなしにさせておくと学力がアップするかも…!?

ゲーム没収は逆効果!学力アップに役立ったとの実感も

子どもの頃にどんな遊びが好きだったか聞いたところ、3人がゲームと回答。「僕はロールプレイングゲームでよく遊んでいました。戦略を組み立てて問題を解決するのは数学に共通。論理的な思考を鍛えることができました」(コプライムさん)、「シューティングゲームで、集中力が身についたかも」(たうさん)と、そう聞くとなんだか説得力が。

ゲーム没収は逆効果だと思います

また、松丸さんは「『太鼓の達人』などの音楽ゲームが好きでした。どこで失敗したかを検証して、克服する過程は勉強と同じ。僕は勉強を数時間したらゲームをしていいと決めていたので、ゲーム没収は逆効果だと思います。ゲームを没収したところで、勉強するとは限りませんし」と断言。

“集中力をつける遊び”というと、囲碁や将棋を思い浮かべますが、ゲームも種類や取り組み方によって、学力アップにつながるようです。

教科書を徹底的にマスターすれば、塾なしで東大合格も可能!?

やっぱり、学校の勉強だけでは東大進学は無理? と思いきや、そんなことはないそう。現役で最難関に合格した、たうさんは「一度も塾に通ったことがない」と回答。「中学受験のときは、母がコピーしてくれた過去問をたくさん解いて、国立大学の付属校へ。大学受験は学校の教科書を徹底的にマスターしました」と、塾なしで合格しています。

塾に通ったことがある

一方、松丸さん、いぐいぐさん、コプライムさんは、塾に通ったことがあると回答。「小学3年生から高校3年まで。中高一貫で高校受験はなかったのですが、『せっかく勉強するクセがついたのだからもったいない』との父の意見で通い続けました。塾での先取り学習で、学校の勉強に余裕をもつことができました」(松丸さん)と、塾通いにももちろんメリットが。

けっして安くはない塾代。わが子はどちらのタイプか、よく見極めましょう。

ゲン担ぎした?受験当日に食べていたもの

最後にすぐマネできそうな“勝負メシ”を質問。受験の前夜や当日の勝負メシは、やっぱりカツ系?と思いきや、東大への道を開いた勝負メシは、合理的なものでした。

「サンドイッチをリクエスト。トンカツは胃にもたれるので前日も当日もNG」(いぐいぐさん)、「手巻きずしをつくってくれました」(松丸さん)と、1個ずつつまめて、短時間で食べられるものが挙げられました。実力を100%出しきるには、体調がなによりも重要とのこと。

ほかの2人は、「ゲン担ぎは逆にプレッシャーになるので、やめてほしい」と、前日も当日も普段と変わりない食事をリクエスト。機能性が高く、負担にならず、いつものお弁当に気配りをプラスしたものがベストなようです。

ほかにも、

ESSE5月号

では「東大生に学ぶ 賢い子どもの育て方」を徹底取材。おこづかいってどのくらい? 両親がつきっきりで勉強を見てくれた? など、さまざまな質問に答えてもらいました。こちらもぜひチェックを!