暮らしを丁寧に楽しみたいという志向の強まりから、日用品やキッチン雑貨など、生活回りのアイテムへの注目が高まっています。インスタグラムやブログで紹介されたアイテムがブームを呼ぶことも。

テレビや雑誌などで、スマートに暮らすためのアイデアを披露している整えアドバイザー・阪口ゆうこさんも、丁寧な暮らしに憧れて、人気アイテムに手を出したことが多々あったそう。
「みんながいいというものなら間違いないだろうと思っていて。でも、使いこなせないと、『自分が悪いのかな?』と思ってしまうこともありました」

丁寧な暮らしに憧れたけど…。私が続けられなかった家事グッズ3選

さまざまな買い物の失敗を経て、自分に合うものの選び方がわかったという阪口さんが、失敗アイテムとその理由を、ESSE編集部に語ってくれました。新生活の買い物の参考にしてみてください。

(1)スティック型掃除機

スティック型掃除機
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最近、家事効率の観点でスティック型掃除機を推している人が多いです。

「手に取りやすいところに立てかけて置いて、気づいたときにサッとお掃除したら、汚れなんてたまりません!」と私も言ってみたいものですが、わが家は昔ながらのキャニスター型の掃除機をメインで使用しています。

コードレスのスティック型掃除機も買ってはみたものの、稼働率は低め。というのも、やはり現時点では、キャニスター型掃除機の方がホコリを吸うパワーが強いんですよね。コードレスのスティック型掃除機は、マメに掃除できる人のアイテムだと感じます。

きちんと派の友人にも、「ホコリを発見したときにすぐ掃除機かけられるよ!」とおすすめされましたが、私は、朝に掃除機を一度かけたら頑として掃除しない派なので、「あ、またホコリ~!」なんてぬるい理由では動けませんでした。

「また明日やるわ~」と見なかったふりをする、完全なる面倒くさがり。

毎日掃除するなんて面倒くさいやん! なんてことも言われましたが、逆にこれには「マジか!?」としか返せないわが家。

家族がアクロバティックに暴れるように遊ぶので、毎日しっかり掃除しないとすぐに汚れてしまいます。ゴミセンサーも終始真っ赤っか!!

だから、1回でゴミやホコリを取りきりたい私には、コードつきのキャニスター型掃除機のパワフルさが必要なのです。とはいえ、スティック型掃除機のコンパクトさは魅力的なので、科学の進歩で吸う力が勝るようになったら、また挑戦してみたいと思っています。

(2)ナチュラル系オールインワン洗剤

掃除場所や用途に応じて、洗剤や掃除グッズは増える一方。

そんなときに、おしゃれなブログで存在を知った、天然成分を主原料としたナチュラル系洗剤。地球に優しいうえに、壁床やシンクにも、浴室やトイレにも使えて、手や体までも洗えるといいます。

大容量なのでコスパもよさそう。「今流行のロハスじゃなかとね!」と、鼻息荒く乗っかろうと、さっそく手を出しました。

1本ですむなんてラクすぎる! 今後はこれを定番にしよう! と、考えていたんですが…やっぱり、向き不向きがありました。

おしゃれ系洗剤がゆえ、近所のドラッグストアには売っていないので、ネット通販で購入することになります。洗剤ひとつだけだと送料がかかるので、とくに欲しくもないものもついでにポチッ。

「なんかいいのないかな」なんてネットショップをあちこちチェックするのは、意外と時間がかかります。

また、メリットだったはずの大容量パッケージも、詰め替え作業が次第に苦痛になりました。あんなに「これからはマルチユース洗剤で地球に優しく、家事も効率化!」と意気込んでいたのに、かえって手間が増えているということに気がついてしまいました。

結局、リピートすることはなく、最後の方はがんばって使いきらなきゃ…とプレッシャーさえ感じていました。「ネットじゃなきゃ買えない」「大容量で詰め替えが必要」は一見、大したことない理由に思えますが、日々のことだとストレスがたまってしまいます。

(3)ふきん

長く使っているけれど、お手入れがいき届いた、真っ白で清潔なふきん。それでダイニングテーブルをふく…そんなシーンに憧れていました。

雑誌やインスタグラムの影響か、昔ながらの伝統的なふきんもすごく人気があります。吸水性に優れていたり、色柄が華やかで出しっぱなしでも美観を損ねなかったり、いろんなタイプが登場しています。

でもやっぱり、汚れたところをふいたりするものなので、メンテナンスが非常に重要。
使うごとに洗って、漂白したり、煮沸したりと、私も最初はがんばっていました。

でも、ダメでした。なんなら、使う前に「これメンテナンスしなきゃいけないんだよな~」なんて考えがよぎって、まさかの「できるだけ使わない」という暴挙に!!
労力と買い替えのお金のことを考えて、けちんぼ精神が働いたのでしょう。本末転倒なので、使い捨てのキッチンダスターに変えてみました。

使い捨てのキッチンダスター

そしたら、なんということでしょう! どうせ使い捨てだからと、今までためらっていたようなところまできれいにするようになりました。

キッチンをふいたあとは、棚をふき、テーブルの足をふき…。さらに窓サッシも! けちんぼ精神が功を奏して、まさかのまめな掃除習慣につながりました。

このように、みんながいいというものが、自分にいいとは限りません。
自分の性格や暮らし方をきちんと理解するのが、後悔しないもの選びのコツ。とはいえ、使ってみて初めてわかることもあります。

そんなときは「○○さんがおすすめしてるから、私の使い方が悪いのかも…」なんて思わず、潔く止める勇気も大切ですよ。

【阪口ゆうこさん】

整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。著書に『

家族がいちばん。だからきちんと選べる。きちんと使える。ゆるミニマルのススメ

』(日本文芸社刊)がある。月間200万PVのブログ「

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