「ときめくものだけを残す」というメソッドが支持されている、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さん。今はアメリカを拠点に「こんまりメソッド」を発信し、その影響力は広がり続けています。
今回は、「一気に片づけるコツ」について教えてもらいました。
アメリカでの片づけレッスンの様子。広いクローゼットで服を一枚ずつ手に取り、ときめきチェックすることの大切さを説明しています。
春は、「片づけ祭り」の絶好のタイミングです
「新年度が始まり、区切りとなるこの季節は、片づけに絶好のタイミングです。年末できずにモヤモヤが残っている方も、暖かいこの時季なら体もスッと動き、家のリセットがしやすいので、ぜひ再挑戦してみてくださいね」と近藤さん。一気に片づけるためのコツを詳しく教えてもらいました。
●ときめき片づけは短期間で一気に!
私が提唱するときめき片づけは、短期間で一気にやるのが基本。スムーズな片づけには順番があるのです。
衣類 → 本類 → 書類 → 小物 → 思い出の品
私はこの順番をおすすめしています。ジャンルごとに家じゅうからものを出して集め、ひとつずつ手に取ってはときめくかどうかを判断し、残したものはすべて定位置を決めて収納します。
大変に思うかもしれませんが、これを一気に、短期に行うのがベスト。なぜなら、一度にすべて片づけることで、意識の変化が劇的に起きるから。これを私は「片づけ祭り」と呼んでいます。
祭りは、毎日やるものではありません。「やるぞ!」と決め、盛り上がった気持ちでわーっと行い、終わったらお祭り気分から日常に切り替える。これが大切なのです。
「毎日少しずつやれば、いつかは全部片づくはず」なんて気持ちでやっていると、片づけはいつまでたっても終わりません。
●片づけを「いつ始めていつ終えるか」予定を決めるのが大事
これまで、片づけの個人レッスンをさせていただいた経験で言うと、「えっ、一気ってどのくらい?」とけげんそうな顔をされる方もいます。「長くて半年ぐらいですね」と答えると、「半年って長くない?」という反応も。
もちろんかかる期間は、ものの数や、部屋の広さによっても違います。また、仕事などの関係により、数日間連続で片づけられる人もいれば、週末に集中してやる人もいるので、自分のライフスタイルのなかでしっかりスケジュールを組んでいけばよいのです。
大事なのは期間ではなく、いつ始めていつ終えるのか、予定を決めること。ノートやカレンダーに書き出すと、決意も固まります。ちなみに片づけ祭り、アメリカでは直訳の「tidyingfestival」のほか「tidyingjourney(片づけの旅)」などと、自分流の呼び方に置き換えている方もいて、おもしろいですね。
●時間がなければカテゴリーごとに片づけるのもOK
そして、片づけ祭りは「正しく」やれば、その後行う必要はありません。
一度片づけ祭りをしてしまえば、日常の片づけは、使ったものを元に戻すだけ。きれいな部屋で理想の暮らしを送ることができるのです。
あとは、「そろそろこれもお役目終了かな」「迷って残したけど、やっぱりときめかないな」など、気づいたものを、その都度手放していけばよいだけです。
そう考えると、一生のうちの半年って、長くはないですよね? ただ、子どもが小さくて、一気に片づけは無理というケースもあります。うちは娘が2歳と1歳ですが、今、片づけ祭りをするとなったら、私でもハードルが高いと感じます。
そんなときは、たとえば衣類のなかのトップスなど、1カテゴリーだけを、お昼寝の間にバーッとやる「小刻みな一気」を繰り返すのがよいと思います。このとき、あらかじめ次のタイミングを決めておき、すぐ続きができるようにするのがポイントです。
片づけは、いやいやながらではなく、楽しみながら取り組むと気持ちよく進みます。「今日はここまで制覇しよう!」と、ゲーム感覚でやってみるのもよいかもしれませんね。
片づけをスムーズにしたいなら、こんまりさんの近著
(扶桑社刊)が参考になります。ぜひ、チェックしてみて。