テレビや雑誌などで、暮らしが効率よく回るための収納や生活習慣を紹介している、整えアドバイザー・阪口ゆうこさん。自身は、管理できるものだけものをもつよう心がける「ゆるミニマル」を心がけています。そんな阪口さんとは対照的に、夫はものをもつことに喜びを見出す“マキシマリスト”。
「夫の持ち物を勝手に捨てて派手なけんかになったことも(笑)」と振り返る阪口さん。反省の末編み出した、家族が自然とものを捨ててくれるようになる“魔法の伝え方”を教わりました。
ものを手放せなかった夫が変わった!魔法の伝え方
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私の夫は多趣味で、そのための道具をたくさんもちたい人というタイプ。着道楽でもあり、平日は仕事着なのに、クローゼットにはオフの日の私服がずらり。色とりどりそろえていて、かつては、週末にだけ着る手持ち服は、私のワードローブの3倍以上もありました(笑)。
しかし、そのラインナップをよく見てみると、着ていない服があるわ、あるわ…。登場頻度がほぼない服が場所をとっている反面、よく着る服がきゅうくつな思いをしていて、なんだかもったいない状態でした。
なによりも、出しにくくしまいにくいから、当時は、洗濯し終わった夫の服をクローゼットに戻す私のストレスがすごい!
しんぼうできなくなり、夫の洋服を無断で捨てて、凄まじいけんかに発展したこともありました。普段は温厚な夫にあんなにも怒られたのは、あとにも先にも初めてです。
自分がやられたら怒り心頭ですもんね。人のものを無断で手放したことを深く反省しました。
その後どうにか夫と話し合って、自分の意思で、不要な洋服を減らしてくれるようにならないかなと試行錯誤。話し合うなかで、とくに有効だったテクニックを3つご紹介します。
(1)数字を使って説明する
着ていないことに気づいてほしい…と思っていても、言葉で伝えないと伝わりません。わが家でとくに有効だったのは、「あまり着ていないんじゃない?」などの印象論ではなく、数字を使って伝えたこと。
「このアウター、今シーズン1回も着てなかったね」「この洋服、この1年間、1回も洗濯した記憶ないよ」
袖をとおす機会がなくなった服はなくても問題ないのかもしれないと、ハッと気づいてくれたようです。
(2)客観的な評価を伝える
手放してもいいかも…と思い始めているようだったら、言葉であと押ししてあげましょう。
「結構前にはやったものだし、そろそろ手放していいと思うよ」「今の年齢だったらもっと似合う色があるんじゃない?」
ここで心がけたいのは、一方的な非難にならないようにすること。「なんでそんなの買ったの?」「全然いいと思わない」。こんな風に相手を傷つける表現は避けて正解だったと思います。
(3)手放したあとの変化を伝える
見事、手放してくれたら、その習慣が続くように、ポジティブな変化を必ず伝えましょう。
「服を減らしてくれたから家事がすっごくラク!」「好きなアイテムばっかりのクローゼットになったね」
なんて、よい方向に変わったことを伝えると、自分のアクションが、さまざまなよい結果をもたらしたのだと気づいてもらえます。
わが家では、この話し合い以降、夫のクローゼットがパンパンになることはありません。新しいものをひとつ買ったら、手放すものがあるかを考えるように。ちょっとした伝え方の工夫で、夫も私もストレスフリーになりました。