約9割が水分でできている豆腐。料理のレシピで「豆腐は水きりする」という工程がおなじみですが、やり方は調理する人によってさまざま。
そこで、暮らし回りの科学を研究する専門機関「FCG総研」監修のもと、重石をのせる、電子レンジや鍋で加熱する、バットやザルに置くなど、5つの方法で抜ける水分量を調査しました!
豆腐の水きりの方法はなにが正解?料理別おすすめの方法
<実験方法>
重さ300g、厚さ4cmの木綿豆腐で検証。
(1)豆腐の重量の4倍の重石をのせ、30分おく
(2)電子レンジ(600W)で2分加熱し、30分おく
(3)熱湯で5分ゆで、ザルに上げて30分おく
(4)バットに30分おく
(5)ザルに30分おく
※(1)(2)(4)はそれぞれ変形や変色を防ぐため、ペーパータオル3枚で包む。
結果は、30分程度の水きりで、抜ける水分量が5~20%とまちまち。
ザル置きしたものと、レシピ本などで一般的な4倍の重石をのせたものとでは、約40gもの差があり、食感や使い勝手にも違いが出ることが判明しました。
ここでは詳しい実験結果と、つくる料理によってどう使い分ければいいかを解説します。
●(1) 4倍の重さの重石をのせて30分おく→しっかり水がきれ、風味が濃厚に
まずは重しをのせて30分おくパターン。
30分おくと、しっかり水が抜けました。
300gの豆腐が約246gになりました。
水きり後、豆腐の重量が300gから246gに減り、約20%の水きりに。扱いやすく、豆腐の風味も濃厚に。
揚げ出し豆腐をつくるときの片栗粉がまんべんなくついたり、豆腐ステーキはしっかり焼き目がついて裏返しやすくなります。
<向いている料理>
揚げ出し豆腐・豆腐ステーキ・白あえ
●(2)(3) 加熱して30分おく→ほどよく水が抜け、味しみがよくなる
続いて、加熱して30分おく2つのパターンです。
電子レンジで2分加熱して30分おくと、300gの豆腐が約255gに。
熱湯で5分ゆでて30分おくと、300gの豆腐が約270gになりました。
豆腐には加熱するとタンパク質が固まり、水分が押し出されやすくなる性質が。そのため、加熱後に冷ます過程で水が抜けていきます。
水が抜けた部分に調味料が入るので味のしみ込みがよくなり、煮くずれもしにくくなります。
<向いている料理>
麻婆豆腐・煮物
●(4)(5) 30分おく→豆腐本来の食感が残る
最後に、おいておくだけの2パターン。
ペーパータオルに包んで30分おくと、300gの豆腐が約274gに。
ザルに入れて30分おくと、300gの豆腐が約285gになりました。
ペーパータオルを3枚重ねて包んだ場合は約10%、ザルに置いた場合は約5%の水がきれたことに。
水分量を少し減らすことで料理が水っぽくなるのを防ぐことができるうえ、豆腐本来のふんわりした食感もキープできます。
<向いている料理>
冷ややっこ・鍋もの
料理によって水きり方法を変えると、よりおいしい豆腐料理に仕上がります。