テレビや雑誌などで、スマートに暮らすためのアイデアを披露している、整えアドバイザー・阪口ゆうこさん。「厳選したものだけで暮らし、それ以外のものはもたないという生活は、味気ないと思われがちですが、実際にはストレスが少なく、質のいい生活を送りやすくなります」と説きます。具体的にはどういうことなのでしょう?
今回は女性にありがちな悩み、「クローゼットはいっぱいなのに、着たい服がない!」問題を例に教えてくれました。この悩みを解消する、オールスタメンな1軍クローゼットのつくり方についても解説!
たくさんあるのに、今日着たい一枚が見つからない!
「おしゃれとは、洋服の種類と数の豊富さで決まる!」。そんな考え方をしていませんか?
たしかに、着るものが多くあれば、「あ、おしゃれ好きなんだね~」という印象を他人に与えられるかもしれません。でも、ふと気づけば、結局決まりきった洋服をヘビーローテーションさせていたりしませんか?
じつは、洋服がたくさんあればあるほど、選択肢や管理の手間が増えて、おしゃれの道が遠のいてしまうこともあるのです。
選択肢は少ない方がストレスが減り、満足度もアップ
好きな服ばかりがずらりと並んだクローゼットを想像してみてください。女子なら垂涎もの、ですよね。
私のクローゼットも、自分が本当に大好きでよく着ている「1軍」の服ばかりでできあがっています。ただし、服の絶対数は少ないです。
1軍だらけにするために、まず必要なことは、洋服を減らすことです。
じつは人間は、選択肢が多いほど迷いが出るもの。洋服を選ぶとき、2択と10択だと、後者の方が心踊る気がしますよね? でも、実際は、選択肢の多い10択だと、迷いが出まくって決断ができないんです。
選択肢の少ない方が、選ぶストレスも減って、満足度は高くなります。なにより、スピーディーに決断できますしね。
着る機会が少ない服でも「記憶」があれば取っておいてOK!
では、服を手放すためにどうするか。私のやり方はいたってシンプルです。
一着一着、実際に手に取って、最後にいつ着たか、記憶が明確なものだけをクローゼットに残す! これだけ!
記憶があるということは、頻繁に活用できているか、もしくは、心から愛情を感じているか。このどちらかに当てはまるものです。
「1年間着ていなければ手放すべき」と説く人もいますが、たとえ、1年前のすてきなディナーのときに着たきりでも、着たことが記憶に残っていたら、その服に愛情があるということ。それは、残していいと思うのです。
そして次は、最後にいつ着たか思い出せない服と向き合います。なぜ着なくなったのか、なぜ愛情がなくなったのか考えるのです。
顔色がいまいち映えない色が原因? やせたら着られると小さめサイズにしたのが原因? 家で洗えない素材が原因? 活躍させてあげられなかった理由をしっかり掘り下げるのです。
十分に着なかった洋服を手放すのは、どうしても心苦しいもの。でも、その失敗体験をしっかりと胸にとどめて、記憶しておくことこそが大事。
ここで、じっくり向き合ってしんどい思いをした人は、このあとの買い物で、あまり着ない服に手を出してしまうような失敗を繰り返さないようになるのです。
洋服を選ぶ基準は「未来の自分に着ていてほしいか」
いっぱいだったクローゼットに余裕ができたら、また新しい服を買うのもいいと思います。
そのときに洋服を選ぶ基準は、サイズ感や手入れの仕方のほかに、今の自分ではなく、なりたい未来の自分が着ているイメージができるかどうか。その服をクローゼットに並べても、スペースに余裕をもって収まり、ワードローブ全体の調和や美観を損なわないか。「もっていればいつか着る」ではなく、未来で着る予定があるかどうか。お手入れや洗濯するときまでも、心がときめくかどうか。
ここまで考えて服を選ぶことができたら、きっと1軍だらけのクローゼットになりますよ。