警視庁が発表した、昨年1年間のドメスティックバイオレンスに関する相談件数は、7万2455件と、DV防止法施行後、過去最多となりました。配偶者からの暴力事案に悩む人は、年々増加しています。

同様に、肉体的な暴力だけでなく、精神的な暴力に苦しめられている人も少なくありません。現在はシングルマザーとして娘を育てるヨシダテルミーさんも、離婚した元夫からの精神的な虐待や暴力、モラルハラスメントに悩まされていました。
結婚生活が続くにつれ、夫に反論することができなくなっていったというテルミーさんに、その理由について語ってもらいました。

感情的になるモラハラ夫に、反論する気力も奪われて…

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最初は、元夫の暴言にきちんと言い返せていたような気もしますが、いつからか反論したりできなくなったのは「元夫が怖かったから」。このひと言につきます。

私が逆らうと機嫌が悪くなり、いっさいしゃべらないし、目も合わせない。まるで私がそこにいないかのようにふるまっていました。

私が謝っても、なにもなかったかのように接しても、自分の気がすむまで無視され続け、狭い家の中がギスギスするのがとてもいやでした。

舌打ちし、にらみつけて威嚇(いかく)もしてくるのですが、それは子どもが産まれてからももちろん治らず、1歳半のわが子にも、不良がメンチをきるみたいに、顔を上下させるようにして視線を動かし、にらみつけているところを見たときは、ちょっと信じられなくて笑いそうになりました。

元夫は肉体的というよりも精神的な暴力がほとんどで、いわゆるDVみたいなことは数えるほどしかありませんが、殴るときも、ザ・理不尽!

たとえば、朝からおなかが痛いと言っていた夫と一緒に出かけたとき、私が駅で「下痢はもう大丈夫?」と心配したら、「人前で下痢って言うな」とおなかを殴られたこともあります。

また、買い物中に、探していた品物を元夫が見つけて声をかけたのに、私がすぐに反応できなかったといって、妊婦だったのにもかかわわらず、「ちゃんと聞け!」と頭をはたかれたことも。

20歳そこそこの若い頃に自転車で2人乗りをしていて、私が荷台でバランスを崩したら「おまえのせいで俺まで転びそうになっただろ」と、うしろ手で何度も殴られたり…。

当時はそのたびに、「叩くことないでしょ!」と反論していましたが、「叩かれることをするおまえが悪いんだろ!!」とキレられていました。

なにか言い返したとしても、どなられたり威嚇されたり、下手したらまた叩かれるかもしれないと思うと、やがてなにもできなくなりました。

息子の暴力沙汰を武勇伝のように語る義母にあ然

こうした夫の行動を、義母に相談したことがあります。すると、「そうなの! あの子は口下手だから、先に手が出ちゃうところがあるのよ~」。まるで武勇伝を語るかのように、義姉とけんかしたときに、元夫が胸ぐらをつかんで壁に叩きつけたエピソードを話してくれました。

大人になっても、激昴すると手が出てしまうことがある元夫と、それを笑って話せる義母。なんでもないことのように話す様子を見ていたら、思わず「あれ? この2人が普通で、おかしいのは私なのかな?」という気持ちにさせられました。

そんな義母が、口ぐせのように言っていたのは、「私はテルミーちゃんが大好きなの。なにがあっても息子よりテルミーちゃんの味方だからね」という言葉。

実際、味方になってくれたことは一度もなく、いったいなんだったんだあの親子は、と今でもなにかの拍子にふと思い出すことがあります。

【ヨシダテルミーさん】 地方在住の主婦。19歳で初めてつき合った男性と28歳で結婚し、33歳で離婚。現在はワーキングマザーとして、6歳の娘と2人暮らし。インスタグラム(@teruminoyoshida)で発信する、モラハラ夫との生活をつづった手書き投稿が注目を集める