昔はハマっていたけれど今では使わない、趣味のグッズや教材。押し入れに眠らせているという人は多いのではないでしょうか。

「じつはこうしたものときちんと決別すると、自分がこれから進むべき道が見えてきますよ」とアドバイスするのは本多メグさん。ものが少ない暮らしを提唱するサロンを主宰しています。一体どういうことなのか、詳しくお話を伺いました。

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新しいことを始めるためには心の余裕が必要

資格のテキスト、英会話学校の教材、ダイエットのため購入した健康器具、趣味のスキーやウェア類、猛練習したギターや楽譜…。押し入れに突っ込んだ際は「きっとまた使う!また勉強したい!」と思っていたかもしれません。でも本当に、今後の人生で、再び使う可能性はありますか?

そうしたものを見るたびに「使わなきゃ…」というプレッシャーを感じていませんか?

「使わなきゃ=義務感」というマイナスイメージしか感じないものは、あなたのなかですでに旬を過ぎているといえそうです。

人生を変えようとするとき、心には負荷がかかります。だから、「心の余裕」が必要。心に余裕がないと、新しい習いごとを始めたり、自分の今後についてじっくり考えたりしようとは、なかなか思えないものです。余裕をつくるためには、こうした義務感と決別して、心を軽くすることが大切な気がします。

処分するor処分しないはどう決めていく?

処分するOR処分しないはどう決めていく?

まずはテキストから説明していきましょう。「今後使うかもしれない」と少しでも思うなら、今すぐ取り出して、テキストの1ページ目を開いてみます。それを見て、今また勉強したくなったのなら、再開するきっかけになりますね。

逆に、もう勉強はしないな、と感じたらこれを機会に、すぐその場で整理を。そのときの直感を信じて処分することが大切です。

ちなみに、古いテキストは情報が古くて今では通用しないこともあるので、勉強し直すなら最新のものを手に入れましょう。

不用の教材や趣味のもの

では、趣味のものについてはどうでしょうか。たとえば眠っているギターがあるなら、ホコリを払って、まず弾いてみます。それでワクワクするなら、一日5分でも弾けばいいのです。

もし、ギターがもう使えないくらい劣化している場合は、納得して潔く処分できますね。

古いアルバムや日記類
過去のものとの決別でなぜ人生が変わる?

また、しばらく読み返さない本や、古いアルバムや日記類はどうすればよいのでしょうか。

基本的に本は手放す方向で考えてみてください。これまで必要としていなかったのですから、今後もその可能性が高いでしょう。どうしても必要なときは図書館で借りることだってできます。本を売って臨時収入にしよう、くらいの気持ちでお別れを。アルバムについては、ざっと見返してみて、そのときに気分が上がった、あるいは楽しい思い出が浮かんできた、という写真だけを残すことにしてもよいでしょう。

自分はどんどん変化しているということを忘れずに

新しいことをやるためには心の余裕が大切、と先に述べました。ほかにも気に留めておいてほしいことがあります。

たとえば、あなたが年を重ねれば、自分の体ができることも変わるかもしれません。それに、社会的にも家庭的にも責任が重くなって、自由になる時間に変化があるはずです。

結婚、出産など人生のステージが変われば、自分のなかの価値観だって一変して、これまでとは優先順位のつけ方だって異なってくることでしょう。自分一人で楽しむよりも、子どもと一緒に楽しめるスポーツを始めよう…なんて。

「昔の大切」と「今の大切」の間にはギャップが生じています。「昔の大切」を処分すべきか検討しているとき、じつはあなたが本当に向き合っているのは「今の大切」にほかなりません。この「儀式」と真剣に向き合うことで、自分の目標ややりたいことが自然にはっきりとしてくるのです。

だからこそ、今使っていない過去のものを処分することはとても重要。それに、家の中もすっきりするというおまけもついてくるのですから。