キッチンで、ほとんど使っていない調理器具や家電が場所を取っていませんか? 洗うのが面倒で活躍しなくなったミキサー、買って数回使っただけのパン焼き器、1年に数回しか使わないかき氷器…。収納扉の奥には、さらにものが隠れているかもしれません。
今回は、調理器具をバッサリ減らすコツを、ものが少ない暮らしを提唱するサロンを主宰する本多メグさんに教えてもらいました。
台所仕事をまじめにする人ほど片づかないキッチンになるリスクにさらされている!?
結論から申し上げます。
私の経験上、もっとも有効な解決法は「料理のレパートリーを広げないこと」です。
幅広いレパートリーの料理を、さらには、おやつまでも手づくりすることが主婦の理想であるかのように考えがちなもの。もちろん、これを否定する気は毛頭ありません。ただし、料理が苦手な方や仕事で忙しい方は、無理をする必要はないという発想も必要な気がしています。料理のすべてを手づくりしなくても、お総菜を買って食卓に加えたり、ときには外食したりということがあってもよいはず。
そう、じつは、「全部自分でやらなくちゃ」という理想に応えようとするまじめな主婦ほど、キッチンの道具を使わないまま放置してしまう危険にさらされているのです。
これまでまじめに生活してきた結果なので、間違っているわけではありませんし、考え方を変えるのは難しいかもしれません。でも道具でごっちゃりしたキッチンに悩んでいるのなら、思い切って発想を変えてみませんか?家でつくるのは、手間のかかりすぎない家庭料理だけにすると決めてしまうのです。シンプルに焼いたり煮たりする和食中心にして、そのほかのものは外食で楽しむ、または買ってくることを習慣にすれば、調理器具はかなり減らせます。
きっと、調理器具は、炊飯器、電子レンジ、フライパンと鍋が2~3個ずつあれば充分でしょう。もちろん、毎日使っているものは処分する必要はありません。
一方、減らせるものの一例としてホームベーカリーが挙げられます。機械はもちろん、小麦粉やイーストなどの材料ストックも手放すことができてすっきり。
「たまにつくる楽しみ」は、代わりに「専門店がつくるおいしさ」「パンを選ぶときのワクワク」を楽しむことで満足すればいいのです。
お菓子づくりも同様。ケーキやクッキーの型、電動ミキサー、ゴムベラ、温度計などたくさんの道具が減らせます。子どもに安心なおやつを食べさせたいのであれば、果物や干しイモを与える、もっといえば、甘いものにこだわらずにおにぎりをつくったっていいのです。
また、1つの用途にしか使えないものも整理の対象になるかもしれません。ワッフルメーカー、ホットサンド、かき氷器…。もしかしたら、もう使ってないものもありますよね。
いかがでしたか? 使わないもの、めったに使わないものを手放したら、掃除やものの管理の負担がぐっと軽くなります。キッチンが広く使えるから、ストレスも減り、作業効率が上がるというメリットも。ちなみに「料理のレパートリーを広げないこと」は手抜きとは別次元の話。台所仕事が時短になって浮いた時間を、手をかけたい家事が仕事に充てることになるのですから。
「なんだかキッチンがゴチャゴチャしている」と感じているなら、調理器具のミニマム化から始めるととてもラク。自分の時間的なキャパシティーと、レシピのレパートリーとのバランスを見直してみませんか。