愛くるしい表情と人懐っこさで、私たちを虜にするペット犬。いまや約7世帯に1軒、800万近くの世帯で犬を飼っているというデータもあるほど身近な存在に(ペットフード協会 平成28年度 全国犬猫飼育実態調査による)。スマホやパソコンの写真フォルダーが、愛犬の写真でいっぱい、なんていう人も多いのでは?

 でも、ワンちゃんがかわいく撮れているショットって意外に少なくないですか? そこで今回は、インスタグラムで人気沸騰中の“福を招く柴犬”「

だいふく

」の飼い主であり、写真集『

柴犬だいふく

』(扶桑社刊)の著者・後藤隆之介さんに、愛犬を撮るときのテクニックを教えてもらいました。

飼い主が教える愛犬をかわいく撮るコツ
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場所を決めて撮ることを習慣にして愛犬に慣れてもらう

 愛犬をかわいく撮るための近道は、カメラの存在に慣れさせること。それには、家の中の決まった場所で撮影することを習慣にしておくのがおすすめだそう。

「ソファの上など、毎日同じスポットで写真を撮り、終わったらおやつをあげるようにします。するとそのうちワンちゃんも、ここでじっとしているとごほうびがもらえる、ということがわかってきて、撮影に協力してくれるようになりますよ。わが家の『だいふく』は、今ではカメラを持っただけで撮影場所へ行き、おすわりをして待っています(笑)」

カメラ目線の写真を撮りたいときは、どうすればいいのでしょうか?
飼い主が教える愛犬をかわいく撮るコツ

 カメラ目線の写真を撮りたいときは、どうすればいいのでしょうか?

「犬にはレンズが生き物の目のように見えるらしく、カメラを向けると顔をそむけてしまうことが多いようです。その場合は、2人で撮影するといいでしょう。ひとりが撮影係、もうひとりがおやつで視線誘導をする係。誘導係がレンズの少し上あたりにおやつを持ってくることで、カメラ目線の写真が撮れます。レンズの近くで音を鳴らしたり、いつもと違う言葉を発するなどして気を引いてみるのも効果的です」

お目々キラキラのイキイキした表情をゲットしよう

お目々キラキラのイキイキした表情をゲットしよう!

 ワンちゃんのイキイキした表情をものにするには、瞳の中に光を映しこませる「キャッチライト」も欠かせません。

「意外と忘れがちなのですが、簡単にすぐに実践できて、写真の仕上がりに大きく差がつくのがこのテクニック。ワンちゃんの目に光を入れてあげることで、潤んだ目で見つめられているような写真が撮れます。室内で撮る場合は、照明や太陽の光が差し込む大きな窓の近くで、犬の目に光が入るように顔の向きをおやつなどで誘導するといいでしょう」

 目に写り込むものが大きい方がより効果的です。戸外の場合は、顔の近くに光るものやキラキラしているものがあればOK。地面に日が当たっていれば、その反射光が目に写り込んでキャッチライトに。水面の場合も同様です。

地面に日が当たっていれば、その反射光が目に写り込んでアイキャッチに

目線を変えたり小道具と組み合わせたりして、いろいろな表情を引き出して

目線を変えたり小道具と組み合わせたりして、いろいろな表情を引き出して

 最後に、毎日同じような写真しか撮れない、というマンネリ気味の飼い主さんに向けてアドバイスを。

「カメラ目線や正面からの顔だけなく、横からや斜めからなどアングルを変えてみましょう。口を開けたり目をつむっているような、普段はあまり狙って押さえない写真からも、今まで気づかなかった愛犬の魅力を発見できることがあるものです。全身を撮る場合は、たとえばぬいぐるみと同じポーズをさせるなど、なにかと一緒に撮影してみるのもおすすめです。日頃から愛犬のかわいいパーツや表情、しぐさなどを観察するようにすれば、引き出しも増えますよ」

しぐさなどを観察するようにすれば、引き出しも増えますよ

 愛犬を何倍もかわいく見せる撮影テクニックの数々。ぜひ、今日から実践してみて!