「日々の生活に困っているわけではないし、一見問題なく暮らしている。なのに、貯蓄がほとんどない…。そんな将来が心配な〝隠れビンボー〞が増えています」
こう警鐘を鳴らすのは、ファイナンシャルプランナーで、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。隠れビンボーのなかでもよくいるタイプが“言いわけビンボー”と呼ばれる人だとか。
言いわけビンボーの人は、貯蓄はしたいけれど、「有機野菜が健康にいい」「洋服は高い方が長もちする」など、分不相応な理由でいつも出費がアップしがち。また、「小さいうちにいろいろ経験させたい」と、子どもの習い事を増やしがちな特徴を持っています。「子どもが小学校に入ったら私も働くから、貯金できる」と自分に言い聞かせて、赤字に目をつぶることも多いと横山さんは言います。傾向と対策を伺いました。
買い物のこだわりと子どもの習い事を絞って赤字を克服
今回、横山さんが家計の再生に乗り出したお相手は、典型的な言いわけビンボーの沢野美穂さん(仮名・40歳)。長女(4歳)の入園で、今年からパートを始めたものの、期待ほど貯蓄が増えないのが悩み。長男(6歳)と長女の教育資金を貯めることを目標にしています。
●レシートを見直して「なくてよかったもの」を自覚
出費を引き締めるポイントは、「必要なもの」「不要なもの」をきっちりわけるメリハリの意識。それがない人は、どうしたらいいのでしょう? 「買い物から帰ったらレシートを見直して、『なくてよかったもの』『こだわってよかったもの』に分類しましょう。毎日繰り返すうちに、本当のこだわりが身についてムダ買いが自然に減少します」(横山さん)。
●子連れの買い物は禁止!目的買いを徹底
目的を決めて買い物に行ったのに、 100均ではキャラクターグッズ、スーパーではチョコと、野沢さんには、子どもにねだられてついで買いをする傾向が。「ねだられると買ってしまうなら、買い物に子どもを連れていかないのがいちばん。買い物メモを持って、それ以外は買わない習慣を徹底しましょう」(横山さん)。
●子ども費を減らし将来のため貯蓄を
4つの習い事の月謝、ハロウィーンやクリスマスなどイベントごとに買う小物で、日用雑費が大幅にアップしている横沢家の懐事情。「今の時点で、子どもにこれだけお金をかけていたら、学資が心配。子どもとも相談して、好きな習い事やイベントだけ残し、将来のために貯蓄していきましょう」(横山さん)。
●被服費は年間予算を決めて!なし崩し的に増やさない
横沢家の家計バランスは、服を買うと赤字になり、赤字補填でボーナスがどんどん減ってしまいます。対策は、どうすれば? 「被服費の年間予算を決めて、あらかじめボーナスからとりおきましょう。予算の枠をつくった方が、結局はムダが出ません。代わりに月の被服費は減らして、小物や下着などはそこから購入して」(横山さん)。
●こだわりと言いわけを区別する
「家族の健康のため」「子どものため」と買うものにこだわりすぎた結果、沢野さんの家計は赤字! 「〝こだわり〞はあっていいですが、欲しいものを買う〝言いわけ〞と区別することが貯まる家計への第一歩です」(横山さん)。
ESSE4月号では“言いわけビンボー”以外にも“見栄っぱりビンボー”など隠れビンボーをタイプ別に紹介し、その対策も指南しています。こちらもお見逃しなく!