「毎月赤字。財布に現金がなくなると預金をきり崩す状況が続いています」。そんなお金の悩みを抱えるESSE読者を、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんに診断していただきました。悩みが同じ人は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょう。そうでない人も、一読すればマネーの知識がますます深くなりますよ。

ローンの返済額、どう増やす?
ローンの返済額、どう増やす?
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「毎月赤字。財布に現金がなくなると預金をきり崩す状況…」にプロはどうアドバイスする?

相談者

松本尚子さん(仮名) 栃木県・39歳(専業主婦)
夫(会社員)43歳、長女7歳、長男4歳

お悩み

毎月赤字で、預金残高が目減りし続けています。財布にお金がなくなると、預金から引き出したり、カード払いに頼るので月の赤字額も不明。焦ってしまう反面、がんばっても貯蓄はムリとあきらめているところも…

松本さんの家計収支

収入

・夫の月収(手取り)¥280,000
・児童手当¥20,000
・収入合計¥300,000

支出

・住宅費¥73,000
・食費¥65,000 

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・外食費¥8,000 

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・電気料金¥8,000
・水道料金¥6,000
・通信費(固定電話・携帯2台分・プロバイダー)¥23,000
・NHK受信料¥2,500
・日用雑費¥15,000

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・レジャー・交際費¥20,000 

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・子ども費(学校教育費)¥22,600/(習い事)¥6,200
・クルマ費(2台分)¥12,000
・クルマローン¥20,000 

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・こづかい(夫)¥27,000
・共済掛金(夫)¥5,700/(妻)¥3,300
・学資保険料¥20,000
・貯蓄¥10,000

支出合計 ¥347,300
収支 -¥47,300
ボーナス収入 ¥900,000
現在の貯蓄 ¥2,000,000

<畠中さんの診断>食費、日用雑費などを見直して赤字解消を!

 赤字補てんでボーナスがほぼ消えてしまい、やりくり意欲がわかないという松本さん。でも、将来に目を向けると、夫が定年を迎える60歳時、下の子はまだ大学3年生、住宅ローンも1500万円残る計算です(完済は夫75歳)。今家計を立て直さない限り、いずれ家計が破綻しかねません! 覚悟を決めて、出費の見直しを。

 まず、7万3000円の食費は赤字の大きな原因です。適正な食費は手取り月収の16%以内、松本家の場合は4万5000円。まずは6万円を目指しましょう。日用雑費とレジャー費の使いすぎも赤字の原因なので、合わせて1万5000円が適切。これら3つの予算合計7万5000円だけ口座から引き出し、やりくりをする習慣をつけるとよいでしょう。

 赤字が解消すれば、ボーナスから貯蓄が可能に。今は無理をせず4年後にクルマローンを完済したら、住宅ローンの返済額を5000円引き上げ、残債を減らしましょう。

check1:買い物の回数を減らして、まずは食費6万円を目指す

食材の宅配を利用し、スーパーでも週4日買い物する松本家の食費は、外食も含め7万3000円と手取り月収の26%にも! 6万円を目標に、宅配は1万円、スーパーでの買い物は5万円(週1万円×5週)でやりくりを。3~4日分の献立を決め、買い物を週2回にすれば、ムダ買いも減少。クリアしたら、少しずつ予算を減らし、最終的に4万5000円を目指して

check2:カード利用はストップ!残金を常にチェックする習慣を

松本家の場合、赤字解消のために、日用雑費は5000円、レジャー費は多くても1万円が限度。財布にお金がなくなると日用品などの購入にあてているクレジットカードの利用をストップすれば、2万円を赤字の解消に回すことが可能に。日用雑費とレジャー費は財布に予算分の1万5000円だけ入れて、残金を確認しながら使いましょう。赤字減少で口座のマイナスが減ってくれば、効果が実感できやる気アップ。ここががんばりどころ!

check3:住宅ローンの返済額を増やし、返済期間を短縮して

3年前に組んだ住宅ローンは3400万円、変動金利、35年返済。ローン総額が大きいわりに月々の返済額が少ないため、元金の減りが遅く、夫の定年時にまだ1500万円は債務が残りそう。しかも、返済途中で市場金利が上がって返済額が増えると、やりくりが厳しくなるうえに、残債が増える可能性も。4年後にクルマローンを完済したら、返済額を増やして負担を軽減しておきましょう。たとえば、返済額を5000円増やせば、返済期間は2年短縮され、60歳時の残債は1390万円に