掃除や片づけのたびにあちこち動き回ったり、いちいち動き方を考えたりと、ムダな動作が原因で家事が滞ることありませんか?

知的家事プロデューサーの本間朝子さんも、この「家事の滞り」に悩み、「ものの置き場」を見直すことに。その結果、掃除や片づけを日々の動線の一部として組み込めるようになり、自然と家事が片づくようになったといいます。詳しく話を聞いてみました。

家事がラクになる「ものの置き方」は、「体が自然に動く」が目標

「たとえば、汚れやすい場所に掃除道具を置けば、気づいたときに一瞬手を動かすだけで、汚れを落とすことができますよね。あるいは、帰宅動線上に収納場所をつくれば、ものを持ち込んでも、動きながらしまえて自然と片づけは完了してしまいます」(本間さん)

つまり、考えなくても体が動くことで、家事がどんどんはかどる仕組みがカギになるとか。
「ものの収納場所や置き方を少し変えるだけで、だれでも無意識に体を動かすことはできるんですよ」

本間さん流の家事がラクになる「ものの置き方」を教えていただきました。

「ついで掃除」を誘うところに道具を配置

洗顔やベッドメイクなど、日常生活の流れのなかですぐに手に取れるよう、掃除道具の配置を工夫している本間さん宅。「面倒に思うことなく、自然と掃除をする習慣が身につきます」。

●朝のベッドメイクのついでに:ハンディーモップをサイドテーブルに置きベッド回りをきれいに

ベッドメイクのついでに:ハンディーモップをサイドテーブルに置きベッド回りをきれいに1
ベッドメイクのついでに
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ベッド回りは、布団のホコリが舞いやすい場所。「サイドテーブルに毛先を外して洗えるハンディーモップを置き、朝、ベッドを整えるついでにホコリを取る習慣に」。

ベッドメイクのついでに:ハンディーモップをサイドテーブルに置きベッド回りをきれいに2
ハンディーモップをサイドテーブルに置く

●洗顔のついでに:スポンジとクロスをトレーにまとめて洗面台磨き

スポンジとクロスをトレーにまとめて洗面台磨き

洗面台の汚れは、洗顔後にハンドソープをつけたスポンジでこすり、クロスでふくのが習慣。「使い古したキッチン用スポンジを半分にカットし、小さなカップに入れ、ハンドソープ、クロスと一緒にトレーに並べています」。

●トイレのついでに:トイレブラシと洗剤を便器横に浮かして設置

トイレのついでに:トイレブラシと洗剤を便器横に浮かして設置

トイレ掃除はトイレに入ったついでに。「ブラシとともに、トイレットペーパーでふき取るタイプの洗剤も、吸盤つきフックで便器横につけています」。床から浮かせれば、床掃除も動かす手間なし。

●玄関の棚の扉裏につるしたハケでドアやインターフォンのホコリ取り

外出・帰宅時に
外出・帰宅時に

ドア回りやインターフォンなどのホコリは、玄関を通るタイミングにハケでサッとひとなで。「棚の扉裏にフックをつけ、ホームセンターで購入したペンキ用のハケをつるしています」。

玄関の棚の扉裏にホコリ取り
玄関の棚の扉裏にホコリ取り

●隙間時間に:テレビ台横にフロアワイパーを置き、床をきれいに

テレビ台横にフロアワイパーを置き、床をきれいに1

リビングのテレビ台横にフロアワイパーを配置。「隙間時間や部屋の移動ついでにこれを持って動くだけで、掃除機がけの回数を減らせます。出しっぱなしにできるよう、スタイリッシュなデザインのものをセレクトしました」。

テレビ台横にフロアワイパーを置き、床をきれいに2

●調理後に:フロアワイパーを冷蔵庫横にかけ、調理後すぐ水や油汚れを除去

調理後すぐ水や油汚れを除去
調理後すぐ水や油汚れを除去

水や油汚れがつきやすいキッチンの床は、水を出しながら使えるフロアワイパーで掃除。「調理後すぐにふけば、油汚れもこれで十分落ちます。冷蔵庫横にフックでつるし、すぐ取れるように」。

フロアワイパーを冷蔵庫横にかけ
フロアワイパーを冷蔵庫横にかけ

●電話をしながら:ハンディーモップを電話のそばにセットし通話のついでに掃除

ハンディーモップを電話のそばにセットし通話のついでに掃除2
電話をしながら掃除

電話やファクスの置いてある棚の上は、ホコリが目立ちやすい場所。「棚の引き出しの最上段にハンディーモップを入れておき、通話中に掃除します」。替えのモップも一緒に収納。

ハンディーモップを電話のそばにセットし通話のついでに掃除2
ハンディーモップを電話のそばにセット

●テレビを観ながら:ソファ横のマガジンラックにハンディーモップを入れてホコリ取り

ソファ横のマガジンラックにハンディーモップを入れてホコリ取り

ソファに座ったまま手が届くマガジンラックにも、ハンディーモップを置いて。「テレビを観ながらローテーブル回りやリモコンなどをひとなですれば、ホコリがたまりません」。

●フロアワイパーで:夜仕込んで、朝に"ついで掃除"!

夜は枕元にセット
夜は枕元にセット

毎晩寝る前にフロアワイパーを寝室に持っていき、朝、リビングに向かうついでに床掃除。「寝室から廊下を通って洗面所に向かい、洗顔後に床に落ちた髪の毛などをさっとふき、キッチンを通ってリビングへ。テレビ台横にセットしたら、簡単な朝の掃除が完了です」。

簡単な朝の掃除が完了です
簡単な朝の掃除が完了です

まとめ:本間流「体が自然に動く」ものの置き方ポイント

●出し入れや作業に手間がかからないよう置き方をシンプル化

よく使うものは、しまい込むと出し入れに手間どるので、ハードルを下げてシンプル化。フックやカゴを使って出しっぱなしにするなど、少ないアクションですむ置き方に。

●使う&使い終わるところを置き場所に

掃除や片づけがおっくうなのは、使う場所としまう場所が離れているのが一因。使う場所や使い終わる場所に収納を確保すれば、すぐに取りかかれるうえにサッと終われる。

教えてくれた人
【本間朝子さん】

知的家事プロデューサー。住まいは2LDKのマンション。自身の経験から、時間とムダな労力を省く「知的家事」を考案。著書に『

家事の手間を9割減らせる部屋づくり

』(青春出版社刊)ほか