在仏5年目を迎え、フランス・パリでパティシエとして働くラボレル友里恵さん。お菓子のプロフェッショナルにフランスで話題の最新ケーキを教えてもらいました。ホームパーティを頻繁に行うフランスでは、ゲストがびっくりするようなインパクトのある見た目のケーキが大人気なのだそう。今回は、ここ数年でじわじわ人気が広がった「グラビティ(=重力)ケーキ」を紹介してもらいます。
まるで無重力!?インパクトある見た目のグラビティケーキ
フランスで今話題を集めているのが、「グラビティケーキ」と呼ばれるお菓子です。名前だけではピンときませんが、ひと目見たら釘づけになること間違いなし。
お菓子の袋が浮いたまま、中身がケーキに降りかかっている様は、まさに無重力!時が止まったようにも見えます。
すべての画像を見る(全6枚)この立体的なケーキ、じつは身近にあるもので簡単にできるので、新しもの好きな若い人や主婦を中心に、ホームパーティのサプライズスイーツとして、数年前からじわじわ人気に。本屋さんには、グラビティケーキのキットつきレシピ本も並ぶほどです。
そんな、話題の「グラビティケーキ」のつくり方をご紹介しますね。
グラビティケーキの基本のつくり方を解説
材料(つくりやすい分量)
<ガナッシュクリームの材料>
・生クリーム 200ml
・チョコレート(細かく刻む) 200g
<そのほかの材料>
・スポンジケーキ(市販品・直径18cm)
・フィンガーチョコレート(または「キットカット」などスティック状のお菓子)
・粒チョコレート(「マーブルチョコレート」「アポロ」など)
・先の曲がるストロー
つくり方
(1) ガナッシュクリームをつくる。生クリームを鍋で沸騰直前まで温め、チョコレートと一緒にボウルに加え、1分ほど置く。泡立て器(またはヘラ)で、全体が均一になるまで底から静かに混ぜる。最初は液体に近いやわらかさなので、使いやすいポマード状になるまで冷ます。
(2) スポンジケーキの厚みを半分に切り、1枚の片面に(1)のガナッシュクリームを塗り、残りの生地をのせる。
(3) 生地全体に(1)のガナッシュクリームを塗り、生地側面の3/4ほどにフィンガーチョコレートをはりつける。
(4) ケーキの中央にストローを刺し、先端部分を残して、残りのガナッシュクリームをストローに塗る。
(5) (4)のストローに、下から粒チョコを隙間なくはりつける。フィンガーチョコをはりつけていない生地1/4から、ストローにかけても粒チョコをバランスよくはりつけ、最後にストロー先端にチョコのあき袋(またはあき箱)をのせる。
完成!
ストローを芯にすることで、無重力のような、インパクト大の見た目になるんです。
グラビティケーキにさらに驚きを仕込んだピニャータケーキ!
今回はグラビティに加え、”くす玉ケーキ”の要素も取り入れた仕上げにしてみました。くす玉ケーキは「ピニャータケーキ」と呼ばれ、数年前からフランスで人気のケーキ。ケーキの中心部を空洞にして、フルーツやグミ、チョコレートなどをつめたものです。
切ったときに中身がコロコロ出てくる演出は、子どもの誕生日やちょっとしたパーティーにぴったり。この場合はスポンジケーキを2台用意し、1台は小さな型で中心部をくりぬき、厚みを半分にしたもう1台のスポンジの上にのせてクリームで接着。中にフルーツなどをつめて、残りのスポンジを上に重ねてクリームではりつければOK。
フルーツ以外にもキャラメルやキャンディーなど、さまざまなもので応用できます。誕生日や記念日に、ケーキ屋さんでは見つからない、ちょっと変わったケーキでびっくりさせてみてはいかがでしょうか。
【ラボレル友里恵さん】
早稲田大学卒業後、かねてからの夢であったパティシエを志し、日本の製菓店で修行後、2012年に渡仏。リヨン・パリと修行を重ね、現在もパリのパティスリーで働く傍ら、2013年よりフランスの食文化を中心とした記事を執筆。週末はフランス人の夫とともに、おいしいものを求めフランスの地方を巡る日々