家にいる生活が長引くと、「なぜこんなにものが多いのだろう」「ごちゃごちゃして気になる」と、家の中のものに目が向くようになります。

お気に入りだけに囲まれた、すっきりした心地いい暮らし。そんな憧れを実現するためにはどうすればよいのでしょうか。気に入ったものだけを買う、大切に使い続ける、潔く手放す…。こうして、ものとのつき合い方を見直せば、家も心も整理できて、居心地のよい暮らしに。
ここでは、そんな住まい方を実践するエッセイストの石黒智子さんにお話を伺いました。

調理器具をつるして収納
すっきり暮らすためには、とにかく「見る」こと
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すっきり暮らすためには、とにかく「見る」。いいものも、そうでないものも

●年齢とともに、合うものは変わる

石黒さんの家がすっきりしているのは、ムダなものがないから。それは、必要なものだけを見極める目という、暮らしのなかでつかんだ確固とした基準をもっているからできること。

一方で「ものとは気楽につきあう」のも石黒さんの考えです。

「30代で『いい』と思えたものが、50代でも同じかというと、そうでもない。暮らしに合わないなと思ったら、すっぱり手放すことも大切。あと、少し年を重ねると、『高価なものは、それなりに高品質』とわかったような気になりがち。けれど、もっとよく向き合うと、『価格と品質は比例するとは限らない』と、さらにもう一歩、先が見えてくるのよ」

だから石黒さんは、もの選びのときに価格を見ません。「いい」と感じたら、値段のことを考えず買う。その代わり、「ここは今一歩だな」と感じたものに関しては、しっかり値段を見て記憶すると言います。

「自分のなかにデータをためていくんです。データが増えるほど、『本当に求めているもの』が明確になる。あとは、とにかくなんでも見ておく。お店だけではなく、映画、雑誌、友達の家…たくさん、見る。人は、実際に見たものからしか、選び取ることはできないから。たくさんものを見たら見ただけ、あなたの欲しいものが現れたとき、ぱっと正確に、手に取れるようになるはずですよ」

道具はどんどんつくり替えて、活用の幅を広げる

●普段使っていない場所=収納場所。サイズまできっちり計って

オーブン

オーブンと一緒に使うことが多い玉子焼き器は、いっそのことオーブン自体を収納場所にしてしまいます。

「どうせなら、このオーブンにぴったりサイズの玉子焼き器が欲しいでしょう? だから、付属の網を持ち歩いて、デパートじゅうの玉子焼き器に当てながらこれを見つけたの」

●道具はどんどんつくり替え。自分自身の使いやすさを追求

卵焼き器

オーブンに入るように、玉子焼き器のハンドルを取り外し可能に改造し、お菓子の型としても活用。

「この幅の玉子焼き器には、市販のスパチュラでは小さすぎたの。板を紙ヤスリで削りながら、ぴったりの木ベラをつくりました」

●“いれもの”には、なにかを入れて、しっかり働いてもらう

スタンドミキサー

「なんでもかんでも、引き出しや戸棚に“しまう”必要はないんじゃない?」と石黒さん。スタンドミキサーのボウルだって、立派な“いれもの”。食器ふきのリネンは、洗濯が終わったらこの中に。