同じ年収、同じ家族構成であっても、お金を貯められる夫婦もいれば、毎月赤字を出してしまう夫婦もいます。はたして、両者を分けるポイントはどこにあるのでしょうか?

<貯蓄のプロ>と<ディグラム診断のプロ>が教える「夫婦のお金」の増やし方

』を出版した家計再生コンサルタントの横山光昭さんと、のべ1400万人の行動と性格分析をおこなってきたディグラム・ラボ所長の木原誠太郎さんに「お金を上手に貯められる夫婦の特徴」を伺いました。

お金の貯め方は、人によって違いがあって当たり前

お金の貯め方は、人によって違いがあって当たり前
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 まず、これまでに数々の夫婦の家計の相談を受けてきた横山さんが強調するのは、「お金の貯め方の正解はひとつではない」とのこと。

「節約ひとつとってみても、『教育費だけは削りたくない』と考えるご夫婦もいれば、『なにをおいてもマイホームだけは絶対に手に入れたい』というご夫婦もいます。お金の使い方というものは、2人の価値観が表れてくるもの。つまり、そのご夫婦がどこに比重を置くのかによって、節約するポイントは変わってきます」

 自分たちが譲れないポイントはどこなのか。また、なにだったら我慢できるのか…は、あくまでその夫婦の考え方次第。だからこそ、大事なのはお金の使い方に優先順位をつけることだと横山さんは続けます。

「お金が貯められないご夫婦の多くは、『自分たちがどうしたいのか』『なににお金を使いたいと思っているのか』がわかってない人が多いんですね。そこを明らかにすることが、お金が貯まる夫婦になるための、第一歩だと私は思っています」

衝動買いや流され消費…性格によって、お金の使い方は大きく変わってくる

衝動買いや流され消費…性格によって、お金の使い方は大きく変わってくる

 さらに性格分析の専門家である木原さんも「お金の使い方は、その人自身の性格が表れてくるもの」と続けます。

「性格分析の観点から言えば、『論理性』が高い人ほど、計画的でお金が貯まりやすいという傾向があります。論理性が高い人というのは、合理的に物事を判断できて、かつ計画性がある人のことを指します。逆に論理性が低い人ほど、衝動買いや見栄のための消費を繰り返してしまい、お金が貯まりにくい傾向にあるんです」

 また、お金が貯まりにくい人のもう1つの特徴として、木原さんが挙げるのが「情が深い人」。

「優しくて情が深い人ほど、誰かに気前よくおごってしまったり、誘われると断れなかったりするため、散財してしまいがちです。また、夫や子どもになにかを買ってほしいとねだられたときに、『自分は我慢しても、ここでお金を使ってあげよう』『家計が苦しいけど、家族のためだから仕方がない』と財布の紐もゆるんでしまうことが多いんです」

 つまり、同じ「お金を貯める」という行為でも、性格によって消費傾向は大きく変わっていくもの。だからこそ、自分の性格に合わせた対策をとっていくことが重要になるそうです。

夫婦でお金を貯めるには、まずはお互いの性格を理解

 ただ、自分ひとりでコントロールしようとしても、性格が変えられない以上は、なかなか難しいもの。そこで、夫婦だからこそ、より賢くお金を貯める方法として、木原さんが提案するのが、「夫婦のなかで、お互いの性格を十分に理解しておく」ということです。
「たとえば、奥さんは慎重派でなかなかお金を使わないけれど、旦那さんはつい衝動買いをしてしまうご夫婦がいるとします。すると、どうしても消費傾向に偏りが出てきて、意見が衝突しがちです。ただ、ここで『この人とはお金の使い方が合わない』と切り捨ててしまうのではなく、お互いの性格を踏まえた上で、役割分担を意識しましょう。『夫が衝動買いタイプだから、私はブレーキ役になろう』『自分は流され消費タイプだから、夫がお金の使い方について指摘されたら素直に言うことを聞いておこう』などと、キャラクターづけをしておくと、うまくバランスが取れるようになる。結果、ムダな消費が減って、お金がより貯まりやすくなるのではないでしょうか」

 ちょっとしたきっかけから家計を見直したことで、それまでまったく貯金ができていなかった夫婦が年100万円貯められる夫婦に進化することも珍しくないそうです。自分と旦那さんの性格を知ったうえで、夫婦の賢いお金の貯め方を実践してみてはいかがでしょうか?