テレビや雑誌などで、シンプルな生活を送るためのアイデアを披露している、整えアドバイザー・阪口ゆうこさんは、小学生の2人の子どもを持つ母親でもあります。子どもを持つ母親が直面する「勉強しない問題」に立ち向かうにはどうすればいいか?

 片づけのプロの阪口さんによれば、意外なことに、子どもに自発的に勉強させるのに必要なことは、片づけの考え方と共通する部分が多くあるのだとか。

「勉強しなさい!」だけでは子どもは勉強しない

「勉強しなさい!」だけでは子どもは勉強しない
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 小学生にとって憂うつな問題といえば、宿題、予習、復習…。私自身、子どもには遊びも立派な仕事だと思っています。ええ、大まじめに。でもね、やっぱり、最優先すべきは学業なんです。自発的に勉強してほしい!これは切なる親の思いです。

 そして、親の思いはハードルが上がりがち。「宿題ぐらいやりなさい!」って言っていた母親が、宿題をこなせるようになったら、今度は、「宿題なんて当たり前!予習しなさい」。どんどん要求がエスカレート。子どもからしたら「なんてこったい!」ですよね。

 親がうるさく言うから勉強するというスタンスでは「自発的」とは言えません。さらに悲しいことに、親の反応を見て勉強する姿勢だけを見せている子は学びが頭に入っていません。これは、私自身、痛いほど経験しました。

 片づけと同じで、子どもの勉強も、親がきちんと向き合って育んでいくものではないでしょうか。

子どもの学習意欲のために「空間」と「時間」を整える

子どもの学習意欲のために「空間」と「時間」を整える

 親が、全力で向き合うと、子どもも応えてくれます。わが家では、まず私ができるところからサポートを始めました。

 子どもの勉強を見てあげられるように、自分の部屋ではなく、リビング学習を導入。そして収納も見直し、できるだけさっと勉強に取りかかれるように、文房具やワークブックをリビングの一等地に置くことにしました。親子ですぐ調べられるように、参考書も手の届く場所に。

子どもの学習意欲のために「空間」と「時間」を整える

 2人の子どもたちは、気分によって、勉強場所を変えることもあります。ものをどかさなくても、すぐに勉強に集中できるよう、ダイニングテーブルも、ソファの前のローテーブルもすっきり片づけておくように。やる気が出たときにスムーズに取りかかれるよう、空間を整えました。

 また、ときには、集中して1時間以上問題を解いてるときも、夕食のあと、再び続きに取りかかるときもあります。その最中に、ちょこちょこ、「一緒に考えて」と呼ばれるので、そこはつき合うべきと考え、すぐに隣に行きます。「今、忙しいから無理!」というのは、やっぱり避けたいところ。

 空間だけでなく、時間の面でも子どものやりやすさを優先するように。以前は、勉強するよう強く促したり、親の都合で中断させたりすることで、子どものやる気を削いでいた気がします。

子どもが自発的に勉強するようになったきっかけは

 自発的に勉強してもらうために、そもそも勉強をするってどういうことなのか、子どもと話し合いました。そして、勉強をしないとどうなるかという話も、恥を忍んで、母の恥ずかしい落ちこぼれ人生の経験談をふんだんに練り込んでディスカッション。

 今思えば、片づけについて教えたときもそうでした。片づけるってどういうことか。片づけないと、どういう暮らしになっていくか。まず、子どもたち考えさせてみるところがスタートでした。

 幸か不幸か、母の落ちこぼれ経験談に恐れおののいたらしく、今は自発的に宿題以外の勉強が増えてきました。わが家の場合、方向転換できたのは、長男が大きくなってから。小学生になったときなど、もっと早いタイミングで、子どもの勉強に向き合えればよかったなと思っています。

【阪口ゆうこさん】

整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。著書『

家族がいちばん。だからきちんと選べる。きちんと使える。ゆるミニマルのススメ

』(日本文芸社刊)が発売中。
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