テレビや雑誌などで、シンプルな生活のアイデアを披露している、整えアドバイザー・阪口ゆうこさん。暮らしを上手に回す収納や家事のやり方が人気の阪口さんに、主婦にありがちな「夫が片づけてくれない」お悩みをどのように解決すればいいのか答えてもらいました。

 必要なのは、テクニックでも、グッズでもなくて、じつは○○なんです!

片づけられない夫にお悩みではないですか?

片づけられない夫にお悩みではないですか?
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 帰ってくるなり脱ぎ捨てるコート、かぶったダイニングチェアが窒息しそう。ソファの上に陣取るバッグ、そこは人が座るところなのに。あちこちで脱ぎ散らかす靴下、こたつの中からこんにちは。毎朝「ないない」と騒ぐ鍵と財布、おんなじところに置けや。

 案外片づけを教育されなかった人って多いですよね。あっ、私もそのひとりだった!

夫は片づけない!私だけがんばってる…ってホント?

 私ばかりががんばっている気がする……そんな感情でいっぱいの人も多いと思います。でもそれって、たいがいは錯覚。夫も家族のために外でがんばっているんです。つまりはお互いのがんばりなんて知る由もないのです。家でぐらいグータラさせてくれよなんて思ってる夫も多いでしょうね。私もそう!ものすごくわかる。

 ですから、ここで刺激は禁物です。

「ちょっと!そこは片づける場所じゃないでしょ!」
「なんでこんなところから靴下が出てくるのよ~!」
「えー!どこに置いたの!?ちゃんと片づけないからでしょ!」

 これらは夫のきげんを著しく損ねる禁句集です。下手すると、片づけないうえに、ご機嫌斜め…なんてことに。

夫のレベルに合わせた片づけ方を導入してみましょう

 そこで、わが家は夫のレベルに合わせた片づけ方を設定することにしました。夫は着ていたコートをハンガーにかけてクローゼットに戻すということはできないタイプ。なので、S字フックをつるしてコートとバッグをかければOKというシステムにしました。

 ほかにも、オープン棚を1か所スカッとあけておき、ポケットの中身などの荷物はこの棚に全部置いてくれたら片づけ完了、カゴに全部入れたら片づけ完了など、普通の人が見たらもう引くくらい、簡単な設定にしています。

ポケットの中身などの荷物はこの棚に全部置いてくれたら片づけ完了

 バカにしているわけではなく、片づけの得意な方が苦手な方に合わせればいいという単純な思いやりの話。少しずつ慣れてもらって、徐々に片づけられるようになればいいかなーと、ゆるく考えています。「疲れてても、これならできそう?」って、まずは夫と相談してみてください。

 それが続くようになったら次のステップです。所定位置を徐々に理想の位置に変えてきましょう。わが家もステップアップ式にして5年(長っ)。今やクローゼットに上着を掛けてくれるようになりましたよ。

所定位置を徐々に理想の位置に変えてきましょう

 とにもかくにも自分の理想を押しつけ過ぎないことが大切。そして、片づけてくれたなら、素直に喜びを表して。たとえば、脱ぎ散らかしの常習者である夫が、ごくたまに洗濯カゴに入れてくれるときには「そうしてくれるだけで家事がラクになる」と、感謝しましょう。

「そんなことにいちいち感謝なんかできない!」という方もいるかもしれませんが、それではこれからも状況を改善するのは難しいかもしれません。

 なぜって?

 話を冒頭に戻して、「○○」の答え合わせをしましょうか。

 片づけで大切なのは、なによりも思いやりなのですから。

【阪口ゆうこさん】


整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。著書『

家族がいちばん。だからきちんと選べる。きちんと使える。ゆるミニマルのススメ

』(日本文芸社刊)が発売中。
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